カナダ、AIIBとの関係凍結 中国共産党支配の疑惑調査
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AIIBでは、中国政府は出資率30.7%、議決権26.6%で、圧倒的に最大の出資者ではあります(2位はインドで、出資率8.6%、議決権7.6%)。
ただし、単独で支配しているというほどではない、というかたちにはなっています。
https://www.aiib.org/en/about-aiib/governance/members-of-bank/index.html
とにかく、中国政府はすなわち中国共産党ですから、AIIBが中国中心で、中国共産党関係者が大きな役割を果たす、というのは最初からわかりきっていいたことです。
AIIBに出向していたカナダ人の告発で、AIIBが中国共産党に支配されていることがわかった、というのが、今回の関係凍結の直接のきっかけということになっていますが、カナダ政府が中国政府と対等にAIIBを運営していけると思っていたなら、いくらなんでも中国を知らなすぎます。
仮に、日本政府が25%出資していたとしても、AIIBは中国政府の持ち物に過ぎない、というのは、日本人であれば当然のこととしてわかることです(だから日本政府は参加しませんでしたが)。
とにかく、カナダ政府と中国政府の関係は、従前から悪化しつつあります。
カナダ政府が米国政府に付き合っている、という部分が大きいですが、中国政府がカナダに移住した中国系住民を動員して政治参加させている、といった問題もあります。
今後、カナダ政府の変化は、カナダ在住の中国人、中国と取引のあるカナダ企業、さらには韓国、台湾、日本との軍事的な関係にまで現れてくるでしょう。中国に健全な圧力(中国に透明性や説明責任を促すことにつながる圧力)をかけることを目的とするのであれば、カナダ一国でやっても効果はないと思います(もちろん、カナダが声を上げたことには価値がありますが)。西側諸国に新興国を加えて、事前交渉を経てアライアンス組んで国際世論に呼び掛ければ、中国も何かを感じ、対応してくるでしょう。
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