(ブルームバーグ): Zホールディングス(ZHD)傘下で10月にヤフーと統合するLINEは、現在入居している四谷のオフィスビル10フロア分の賃貸契約を解除、また大阪オフィスも夏ごろ閉鎖する計画だ。ヤフーでも名古屋オフィスを12月に閉鎖予定で、合併によりコストを削減する。

LINEの広報担当者がブルームバーグの取材に答えた。約3100人が勤務するLINEは地上31階の四谷タワーを本拠とし、オフィスにはカフェや約200人収容可能な講堂、共働スペースがある。乳幼児の保育が可能な託児所もあったが、4月に閉鎖したという。

四谷オフィスの社員は現在ヤフーが入居する紀尾井タワーに集約されるが、新たなフロアの契約は予定していないという。そのほか、LINEは東京の大崎、南新宿、ヤフーは札幌、仙台、福岡、那覇などに拠点があるが、閉鎖するか継続するかは今後検討する。

ZHDは4月、2023年1-3月期(第4四半期)決算の純損益が赤字になったと発表した。売上高は4338億円と前年同期から約7%増えたが、人件費が増加、純損益は約13億円の赤字となった。前年同期は約105億円の黒字だった。

ZHDの出沢剛最高経営責任者(CEO)は、LINEとヤフーの統合に際し300億円の固定費を削減するとし、オフィスの縮小や中途採用の凍結などの方向性を示していたが、詳細については明らかにしていなかった。

LINEの広報担当者によれば、新会社の保育を含めた福利厚生や新しい人事制度などについて、複数のタスクフォースを作り検討している。

オフィス縮小の背景には、経費節減だけでなく、働き方の自由化がある。ヤフーはテレワークを前提とし、LINEも出社についてチームベースで決めることができる。出社を要請された場合に午前11時までにオフィスに出社できれば、国内であれば居住地は問われない。

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