九州電力など、海上送電事業を検討 蓄電池を船に
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注目のコメント
『発電所から都心など電気の需要がある場所まで送る電線には容量に制約があり、船による送電で補うことを目指す。』
それはそうなのだが、240MWh/船で、充放電をする必要があるわけで。
また東西連系線の容量は2021年3月に120万kWから210万kW(2100MW)に拡大した(下記)。船の稼働率を上げるためには定常的なニーズがある必要があるし、定常的なニーズがあるなら電線や連系投資のほうが、コスト効率がよさそうに思うが…
https://www.tepco.co.jp/toudenhou/pg/1639475_9043.html
PowerXについては下記などでPickしてコメントしているが、色々なコストや原理原則から考えて、個人的にはうまくいくと思えていない。そのなかで資金調達や大企業巻き込みが進んでいるのは、自分が何か壮絶な勘違いをしているのか、投資や提携されている方がなにか見落としているのか…
洋上風力を電気運搬船で輸送、元ZOZO幹部が仕掛ける新事業
https://newspicks.com/news/6110484
「電気を運ぶ船」開発するベンチャーが、国内に大型電池製造工場建設へ。約40億の資金調達
https://newspicks.com/news/7099019
パワーエックス、蓄電池の先行受注が400台超に
https://newspicks.com/news/7633762PowerXの電気運搬船一隻は、テスラの3840台分(モデル3)、MegaPackなら80基分に相当しますね。
日経の別記事で船長140m、容量241MWh(96個の蓄電池を搭載し一般家庭2万4000世帯が1日に消費する量に相当)と載ってました。1個が約2.4MWhです。
https://newspicks.com/news/8488248
ちなみにモデル3の容量は1台約60kWh、MegaPackは1基3MWhで豪州で燃えてたりします。。
https://newspicks.com/news/5883970
PowerXは、これだけの大きさの蓄電池を使って海上グリッド(送配電網)として使うことを想定し、更に浮体式原発からの送電も検討している模様。
https://newspicks.com/news/8478890
一方のテスラは、自社製EVとESSを使ってVPPサービスを開始してますが、アグリゲートした電力は既存の電力会社のグリッドを使います。
https://newspicks.com/news/8231201
つまり電気を貯める電池を、PowerXは電気を送り届ける送電領域に、テスラは送り届けられた電気をEVや家庭用/産業用ESSに使い更に集約してグリッドに送り返すという違いがあり、両者の違いを電池ビジネスの投資案件としてみると面白い。
テスラの収益源は、B2CとB2B市場製品のEVやESSに加えて電力市場も加えると今後増える見込みがあります(燃えてリコールすることは考慮せず)。PowerXは電気運搬船といった一品一様の受注B2B市場製品で、今まで発電や送電設備の無かった海上での託送料が収益源となります。
PowerXが世界の海上グリッド市場の開拓を狙って、電気運搬船の標準スペックを設計して何台売る見込みなのか。この辺りを詰めて発信することが出来れば面白いですが、どうなんでしょうね実態は。
追記
大規模な太陽フレアが起きてグリッドが全て使えなくなった時の戦艦ヤマトのような不沈艦で、標準化された巡洋艦のイメージでは無いんですよね。ちなみにセルはLFPのようです。船舶による電力輸送は経済的に成り立つだろうか?
送電線と比較する場合、送電系統の建設・運用・保守にかかる費用はたしかに大きいけれど、電力系統の構成や送電する距離など条件が複雑だから個別の費用をどう計算すればいいのかな(特に長距離の場合)。 託送料を参考にするのだろうか。
別の考え方で、船で輸送する電力とLNG(発電用ボイラーの燃料)を、エネルギー単位量あたりの輸送費と発電費用で比較すればどうなるか。
直観的にはどちらもペイしないような気がする。
船でなければ到達できない洋上風力発電所などからの輸送を対象にするのが良いと思う。