(ブルームバーグ): トヨタ自動車株が午後の取引終了時に急落し、前日比4.8%安の1857円と終値ベースで2022年5月7日以来およそ1年ぶりの下落率で取引を終了した。

この日のトヨタ株は取引開始から終了間際までおおむね1950-1970円台の狭いレンジで売買されていた。ブルームバーグのデータによると、通常取引が終わる午後3時ちょうどに1857円で約1450万株の売買が成立した。1日の売買高に占めるこの取引の割合は36%に達した。

ブルームバーグの試算によると、終了時の急落が響き、同社の時価総額は30兆2969億円と前日比で約1兆5000億円減少した。トヨタ株の急落は時価総額を吹き飛ばしただけでなく、同社株の影響力が大きいTOPIXを3.57ポイント押し下げた。ただ、ブルームバーグの取引所別価格動向のデータによれば、取引終了後に私設取引システム(PTS)市場の一部で一時1900円台に値を戻す取引もあった。

ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは、今回の株価急落について長年の経験でも見たことがないレベルと指摘。ポジションのカバーや誤発注などの可能性は考えられるものの原因は分からないとした上で、「ファンダメンタルズ面でトヨタ株をこれだけ多く売らないといけない理由はない」と述べた。

トヨタの広報担当者に取材を試みたが現時点でコメントは得られていない。

--取材協力:田村康剛.

(私設取引市場での株価回復の動きのほか、広報のコメントなどを追加し更新します)

More stories like this are available on bloomberg.com

©2023 Bloomberg L.P.