名作文学の「差別用語」はどこまで削除されるべきか? アガサ・クリスティ作品も修正しなければ絶版に…
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注目のコメント
A.C.クラークのSF作品「グランド・バンクスの幻影」には映画中の喫煙シーンを消していくお仕事が登場していたような。AIを使った動画修正技術の進歩と共に映像作品中の不適切表現の修正も一般化するのかな。
記事中にも「葛藤」とあるように難しい問題で、一つの答えは無いと思います。それは作品には一方では著作者による表現、他方では商品という二つの側面が存在する事にあるように思えます。
後者の側面として作品を出版を含めて現代の商業活動に利活用するのであれば現代の価値観への配慮が売り手に求められるのは当然です。他方で前者の側面として、著者のオリジナルの表現に触れることを担保するのであれば時代背景への理解が受け取り手に求められます。
また過去の作品で差別的な扱いを受けた人種や社会クラスといった集団の多くは概ね現代も存在し、当時の価値観のまま現代に再生産されると今現在を生きる人間が傷つきかねないのも現実です。
少し以前に英国ロイヤルオペラによるプッチーニの「蝶々夫人」の上演に際しオペラ作品を現代向けに改訂する取り組みを紹介するGuardianの記事も有りました。
Royal Opera stages Madama Butterfly with changes to respect Japanese culture
https://www.theguardian.com/culture/2022/jun/05/royal-opera-madama-butterfly-japanese-cultureいわゆる差別用語をそのままにして脚注を入れるのではダメなんですかね。
それにより、人々の常識がどう変わってきたのかわかるでしょ。
遠からず、ダビデ像がパンツをはく時代が来る予感が・・・