2023/5/19

【株価】バブル後最高値を突破した日本株に「6月の試練」

えっ、こんな早く?」。あっけない到達に、筆者はポカンとしてしまった。
日経平均株価が3万円台を回復したことについてである。
5月17日、日経平均は1年8か月ぶりに3万円台を回復した。今日19日にはついに前引けで、バブル崩壊後の高値(3万0670円10銭、2021年9月14日)をも突破してしまった。なんとも猛烈な勢いである。
取材の中で複数の市場関係者は「3万円にいずれ乗る」とは言っていた。だが、彼らの予想した時期は夏だったり年後半だったり、もっと遅かった。
それが、市場関係者も驚くスピードでの上昇。日経平均ロケットに燃料」を投下しているのは、市場の6割を占める海外投資家である。
4月で一段落すると思われていた海外投資家の買い越しは、5月に入ってもまだ続いている。7週連続の買い越しというのは約2年半ぶり。買いが買いを呼ぶ様相だ。この背景については、特集「日本は買いか?」の#1で詳細に図解した。
海外投資家の「怒濤の日本買い」効果を目の当たりにした今、国内の個人投資家も落ち着いてはいられない。
バブル後高値迫る。待ってたんだこの時を」(Twitterから)と、高揚を隠せない人がいる。
一方で、「日経平均は爆上げしてるけど持ち株は爆下げしてる」(同)と嘆く人もいる。(それはきっと、日経平均に採用されていない中小型株には、海外投資家のお金が入らないからだ)
いずれにしても、今誰もが気になるのはたったひとつ。
この勢いは、どこまで続くのか?
これに尽きる。
日経平均はさらなる高値をつけるのか、それとも――。カギはどうやら、「6月」にあるようだ。
INDEX
  • 海外株をアウトパフォーム
  • 「空虚な」株価の上昇
  • 試される6月。今年は何だか気配が違う
  • 物言う株主からの提案はむしろ減る?
  • 「物言う」のはアクティビストだけじゃない
  • 企業成長こそが最良の株主対策