【任天堂の大株主】サウジが「日本を買った」切実な理由
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サウジアラビアの皇族のファイサル・ビン・バンダル・アール・サウード氏の、日本ゲーム好き、eスポーツ興隆への情熱は良く知られた話。
例えば、昨年7月にはサウジアラビアに日本選手を大量に招いて「日本・サウジアラビア e スポーツマッチ」を開催している。
ストリートファイター5のトッププレイヤーのふ〜ど選手がサウジアラビアに行ったものの体調を壊して大会を欠席したが、後日サプライズで彼と直接面会したことをYouTubeで話していた。おそらく彼もふ〜ど選手に会いたかったんじゃないかな。
このようにゲームへの確かな情熱がある人が任天堂やカプコンに出資しているのは、ゲームファンにとってはポジティブだと思います。
https://jesu.or.jp/contents/news/news-220729/任天堂は2022年5月上旬に株式分割を行い(1株につき10株)、その直後、サウディアラビアのPIFが5%の株主になっています。
5月上旬に任天堂株を売却した大株主としては、DeNAがあります。DeNAとしては、今後はヘルスケア事業に資金を投入したいとのことです。
PIFの投資先は多岐に渡り、記事中の図にあるように、通信とか不動産とかエネルギー関係への投資の方がはるかに多く、ゲーム産業への投資は全体で見ればごくわずかなものです。
PIFの運用資産はGPIFの7割くらいで(年金ファンドとSWFはまた別のものですが。GPIFは年金ファンドとしては世界最大です)、GPIFの投資先が非常に多岐に渡ることを考えれば、PIFの投資先が非常に多数であるのもごく当然でしょう。
超大型の機関投資が投資先をどうやって決めるかなど、AIが収益率を計算して決めている、でもおかしくないのですが、SWFのような政府系ファンドの場合、政治的意思が働きます。
中東の政府系投資ファンドが、安全保障のために欧米諸国、特に米国との関係を実質を伴った緊密なものにしておくために、収益度外視で欧米の銀行に投資する、といったこともよくあります。
カタールなどは、それでクレディ・スイスの破綻で損失を出しましたが。
政府系ファンドが銀行救済に出る本当の狙いとは
https://jp.wsj.com/articles/SB10001424052702303923004579573212041536876
日本は、中東諸国から見て、安全保障上の助けを期待する対象ではありません。
日本のゲーム会社に投資するなどというのは、単に収益の問題と、あとはサウディアラビア国内での産業育成に役立つか、といった観点でしょう。
一方で、任天堂ほどのグローバル企業ともなると、かつてのように京都銀行などを主な大株主として当てにする、というだけでは選択肢が限られることもあります。
PIFが買いに来るまでは、外国の大株主としてはJPモルガンがトップでしたが、世界での展開を見据えて、大型の投資ファンドとの提携を利用する、というのも選択肢としてはありえるでしょう。任天堂の大口株主に、中東のオイルマネーが急浮上しています。
一体、どういう狙いで任天堂を買っているのでしょうか?
日本人にとって「マネーの世界」は圧倒的に、米ウォールストリートであり、英ロンドン・シティです。
しかし実は米英の外側に、前回の世界金融危機以降、無視できないスケールにまで育っているお金の流れがあります。
任天堂という日本が誇る優良銘柄を入り口に、
日本人が気づいていない政府系ファンドの動きに迫りました。