アステラス薬、更年期障害治療薬で米FDA承認を取得
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アステラス製薬が承認を取得した「フェゾリネタント」は、ニューロキニン3(NK3)受容体の働きを抑える作用により、脳内において神経の活動を緩和させる機序をもちます。従来から更年期障害の治療に使われている「女性ホルモンが不安定な状態を改善する薬剤」とは作用機序が異なり、新規性の高い医薬品です。
更年期症状は、軽いものを含めて40~64歳の女性の50%以上で発症しているとされています。「フェゾリネタント」が効能を取得したのは、更年期症状に伴う血管運動神経症状(Vasomotor Symptoms: VMS)「顔のほてりやのぼせ等」です。この症状は閉経によるホルモンバランスの変化に伴い現れることがあることがあらかじめ知られています。
承認申請のために必要な臨床第3相試験では、臨床試験前にあらかじめ設定した評価項目での効果が確かめられていました。具体的には、「フェゾリネタント」を1日1回服用した群では、いずれもプラセボ群と比較して、投与後4週および12週時における中等度から重度のVMSの頻度および重症度において、統計的有意な改善がみられています。一方、最も多く認められた有害事象は頭痛です。患者の2%未満が重篤な治療緊急有害事象(TEAE)を有していますが、最も一般的なTEAEも頭痛でした。
系統の異なる医薬品が使用できることにより、当該疾患の治療の選択肢が広がります。アステラスにはとても重要なイベント。
潜在市場の顕在化がスムースに行けば、イクスタンジのパテントクリフに対する備えが(先日の買収とあわせ)かなり進んだと言えそう。
で、結局なぜFDAの審査に時間がかかっのかな?ニューロキニン受容体拮抗薬は多く創製されていてライバルも多そうです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Tachykinin_receptor_3#Agonists
(ニューロキニン受容体はTachykinin receptor 3とも呼ばれる。拮抗薬(antagonist)とは受容体のポケットに結合して受容体の生理活性物質と拮抗して生理活性物質の作用を抑える薬のこと)