東京都内で男女がはしかに感染 都内では3年ぶり 2人に面識なし
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麻疹(ましん)は侮れない病気です。
日本でも、戦前には1年間に1万人の子どもが亡くなっていましたし [1]、現在の先進国でも肺炎は100人に5人、脳炎が1000人に1人に起こり、後遺症も起こしやすいのです。
コロナ禍のなか、麻疹の予防接種率が下がってきています。
麻疹はとても感染力がつよく、2回接種が95%を割り込むと、流行の可能性がでてきます[2]。
2019年に、接種率が下がった大阪市や三重県で集団発生しています[3][4]。
すなわち、現在はいつ流行してもおかしくない状況になっています。ご自身の予防接種を見直す機会にしていただければと思います。
[1]新型コロナが怖くて予防接種しないとどうなる? 小児科医が恐れる感染症の怖さ
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20200504-00176635
[2]J R Soc Interface 2010; 7:1537-44.
[3]大阪市ホームページ
https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000005758.html
[4]IDWR 2019年第19号<注目すべき感染症>麻しん 2019年第1〜19週
https://www.niid.go.jp/niid/ja/measles-m/measles-idwrc.html
(再コメントです)
注目のコメント
2000年4月2日より前に生まれた世代では、はしかの予防接種は定期接種が一回のみしか行われておらず、自ら追加接種を受けていない場合、十分な免疫がそもそも確立されていない可能性があります。感染者は2人とも年齢から2000年以前の生まれと考えられ、これに該当する可能性が十分にあります。
麻疹は、同じ空間に感染者がいれば容易に感染する、インフルエンザやコロナも比べものにならないほど非常に感染伝播しやすい病原体です。一般のマスクでの感染予防が難しい病原体でもあります。
これらのことから、日本国内での感染成立は十分予想されうるイベントであり、パンデミックの影響などとする考察も誤誘導となりうると思います。
ワクチン2回接種の効果は非常に高く、十分な予防効果を見込むことができます。過去に予防接種が1回接種のみの方、あるいは接種回数が不明な方は、血液検査で免疫が十分あるかどうかを医療機関で確認することもできますし、特別な事情がなければ追加接種を受けることもできます。該当する場合には、お近くの医療機関にご相談ください。はしかは、麻疹ウイルスが感染することによる疾患で、中耳炎や肺炎、脳炎などが合併症として起こります。小児では脳炎などにより致死的になりうる感染症です。
感染経路は主に空気感染です。基本再生産数が12~18と強力な感染力を持ち、特にワクチンによる免疫が不十分な集団でアウトブレイクが時々報告されています。
症状としては、10日程度の潜伏期間の後に発熱や特徴的な発疹が出ますが、診断が見逃されることもしばしばあります。症状などで心当たりがある方は医療機関を受診することをおすすめします。