【多拠点居住】企業や自治体はどう支援する?
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多拠点生活を実践して感じる、地域の企業や自治体にとってのメリットは「よそ者効果」です。
旅する「風の人」、地域の「土の人」が混じると、5つの効果があるそうです。
1. 地域の再発見効果:よそ者は地域に不慣れなことが幸いして、逆に地域資源の価値や地域のすばらしさを見出すことができる
2. 誇りの涵養効果:地域外の視点を持つよそ者を意識することで、自らの地域のすばらしさを認識する
3. 知識移転効果:よそ者が地域にない知識や技能を持ち込む
4. 地域の変容を促進する効果:よそ者の持つ異質性は、地域側に「驚き」や「気づき」をもたらし、そこから地域が変容する
5. 地域とのしがらみのない立場からの解決案:地域のしがらみに捕らわれない立場だからこそ、よそ者は優れた解決策を提案できる
この効果に価値を感じられる企業や自治体は、支援をすれば良いのではないでしょうか。
(参考) よそ者と地域づくりにおけるその役割にかんする研究
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2115/39351デジタルを活用した遠隔地勤務はともかく、多拠点居住を無批判に良いことと賛美する考え方には同意しかねるところがあります。個人(あるいは家族が)複数の居住用の拠点を持つことがシンプルに「楽しい」ことはわかりますが、電力をはじめとするエネルギーの消費やCO2の排出という観点からは課題が多い(わかりやすく言えば無駄が多い)と私は思っています。多拠点居住はマクロで見た地球環境には大きな負荷のかかる行為であることを認めて、そのマイナスを打ち消すほどのプラスはなんであるのか、あるいはマイナスを極小化する技術はあるのか、という議論をまず行うべきです。
個人の多拠点居住へのニーズが高まる中、関係人口を増やしたい自治体としては、多拠点居住希望者と地域をうまくマッチングさせる施策を積極的に考えることが重要です。井上さんが指摘しているように、そこで核となるのが「人」というソフトです。場というハードをつくるだけで人がやってくるわけではないし、関係性を深めることも難しい。人と人、そして地域をつなぐキーパーソンの育成こそが、地域にとって今の「多拠点居住ブーム」をチャンスにできるかどうかの鍵となりそうです。