ソフトバンクがChatGPT対抗の“和製ChatGPT”開発表明 宮川社長「生成AIに死ぬほどポジティブ」
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実はLLmの開発はかなり低コストになってきています。オープンソースのモデルが台頭し始めていることに加え、モデル同士がお互いに評価学習し合う手法などにより、精度向上が簡単になっています。技術はどんどんコモディティ化していますし、弊社でもLLMの作り方のホワイトペーパーを昨日リリースしました(https://wandb.me/llm-jpdl)。さらにこれらのモデルの学習は数100ドルなど驚異的に安価になりつつあります。この辺の経緯については、手前味噌ですが私のブログにまとめてあります: https://ashibata.com/2023/05/09/llm/
どこに商機があるのか、実際にあります。特に、企業におけるモデルのカスタマイズを行うには、データをOpenAIに送るというのはセキュリティやプライバシーの観点で不可能です。よってそのようなプライベート環境での商用利用可能モデルが必要とされているのです。また、前述のオープンソースモデルはあまり日本語が上手くないケースもあり、ローカライズの必要性もあります。さらにアジアの他言語などへのローカライズも考えられます。
ということで、SoftBankのチャレンジは全く無謀なことではなくて、ビジネスオポチュニティの大きい戦略的な方向性だと思います。何事もやってみることが大切。大手ながらベンチャー的な動きに好感が持てますね。
一方、ややネガティブな面に触れると、すでにネット上の大規模データを学習させたChatGPTがあり、世界中の大量のユーザーデータを保有するGAFAMがBardやPaLMを展開し、それらのプラグインも多く発表されている中で、その「和製ChatGPT」の価値がどこに見出されるかは悩ましい点です。
用途やドメインを特化させることが突破口だと個人的には思っていますが、果たしてそれがどこなのかは選定が難しいところでもあります。
また、例えばOpenAIのGPT-3の学習には約5億円のコストがかかったという試算も報じられていて、LLM(大規模言語モデル)の開発には巨額のコストがかかることも想像されます。
とはいえLINE&ソフトバンクグループ全体で見れば多様なサービスがあり、そこに蓄積されたオリジナルなデータがあるはずですし、巨額投資が行えるの企業も国内では限られていることを思うと、その強みを活かしたローカライズされた生成 AIの開発に大きな期待を寄せたいところです。ソフトバンクのような投資企業が、LINEのような技術企業とタッグを組んで、うまく行くか注目ですね。
Microsoftが出資して、Open AIが成功したパターンを踏襲できるか。生成AIの基盤モデルは、巨大な資金がないと始まらないので、相性は良さそうです。
技術的には、Open AIのGPT-4でも、日本語で優秀なので、和製AIでどこまで優位性を出せるか。業界ごとの国内トップ企業と提携して、業界特化モデルを開発して戦う道も。(Open AIは取らない戦法)
ちなみに古巣のチームが関わってそうなので、色んな意味でドキドキしながら見てます。