2023/5/11

【実践】超高年収の「AI活用術」を1日で習得した

NewsPicks NY支局長
もう僕らは終わりを待つしかないのか…。
だって、どの記事や論文を見ても書いてある。ジャーナリストや物書きは、AIのインパクトを受ける職種の筆頭だ、と。OpenAIの論文にいたっては、この仕事がAIに晒される率は100%と断言しちゃってるほどだ。
なのに、自分はといえば、毎日ChatGPTと大喜利をしているだけ。
(※注:生成AIのハルシネーション現象で、書いてあることは全部でまかせです…)
そんな絶望の折、一つの光明が差した。
「無料でChatGPTのプロンプトエンジニアリングの講座を提供しますよ」とアナウンスがあったのだ。
プロンプトエンジニアリングとは、生成AIの能力を引き出す指示(=プロンプト)や質問を使いこなす職業であり、米国では文系でも年収4500万円をたたきだすほど、今最も注目を集める仕事だ。
しかも、この講座はChatGPT開発元のOpenAIが参画(しかも講師の一人はOpenAI創業者の師だ)してるやつだから、ホンモノに違いない。
「これで、自分も年収4500万を!」
と、わらにもすがる思いと淡い期待で90分の講座を受けてみた。
すると、ビジネスへの応用イメージが湧いたのはもちろんのこと、もっと大きな「AIとの関係性」の感覚まで根本的に変えられる、貴重な体験になってしまった。
INDEX
  • AIを手懐ける「2つの鉄則」
  • 必殺技①:フューショット
  • 必殺技②:「呪文」でAIを賢くする
  • 「幻覚」という、AIの限界
  • 実践:マーティングに活用する
  • 4つの能力:要約、推論、変形、拡大
  • ChatGPTの「温度」という魔法
  • プログラミング言語は「英語」になる

AIを手懐ける「2つの鉄則」

「ネット上には『誰もが知っておくべき30のプロンプト』といった投稿があふれていますが…」
レクチャーの冒頭、講師であるAI界の権威アンドリュー・ンが、いきなりSNSを埋め尽くすChatGPTハック術を軽くやゆしていた。
「そうしたプロンプトは、ウェブUI上で、一回限りのタスクを行うだけのものです」
まさに、これは自分の大喜利な使い方ではないか…。だが、ンは、それではChatGPTの本当のパワーは引き出せていないと強調する。
「一番のパワーは、APIを使って、素早くアプリケーションを構築できることです。この威力については、まだ多くの人が理解していません」
ふむふむ。すごそうだが、ちょっと難しそうな匂いもする。
実は、講義は、Python初心者程度の理解を求めていた。だが、内容は大半が人間の言葉でできるプロンプトの話なので、基本誰でも理解することができる(一応、筆者はコロナ中に1日だけPythonを学び、断念した経験がある)。
その後、ンはChatGPTなどLLM(大規模言語モデル)の定義を説明した後、講義は、いよいよ実践編へと入っていく。
最初は、AIに指示を出す「2つの鉄則」だ。
まず、1つ目の鉄則から。