(ブルームバーグ): 米地方銀行持ち株会社パックウェスト・バンコープは身売りを含めた一連の戦略的選択肢を検討していると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。同業3行の破綻を受けて、パックウェストの経営が危ぶまれている。

カリフォルニア州ビバリーヒルズに本社を置くパックウェストは、金融アドバイザーと協力し、会社分割あるいは増資も検討していると関係者らは匿名を条件に話した。売却にも扉を開いているが、正式な入札手続きは開始していないという。

傘下に地銀のパシフィック・ウェスタン・バンクや複数の商業・消費者向け貸し付け事業を持つパックウェスト全体に関心を持つ潜在的な買い手は多くなく、一体的な売却は難しいと関係者は指摘する。買い手候補がいたとしても、融資の一部で大幅な評価損計上を迫られる可能性があるという。

パックウェストの担当者はコメントを控えた。

同行の3日の株価は時間外取引で一時60%下落。JPモルガン・チェースが1日、破綻したファースト・リパブリック・バンクを買収したことを受け地銀株が売られる中、パックウェストの株価は2日に28%下落していた。時価総額は3月初めから約85%減少し約7億7200万ドル(約1040億円)となっていた。

同行は先月の決算発表の際、3月に預金引き出しが相次いで健全性への懸念が高まり、流動性拡充を余儀なくされたものの、預金は安定したと説明していた。資本確保とバランスシート縮小に向けレンダーファイナンス事業の売却を模索している。

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パックウェストのウェブサイトによると、同行にはカリフォルニア州を中心に約70の支店があり、資産は約440億ドル。

原題:PacWest Said to Weigh Strategic Options, Including a Sale (2)(抜粋)

(2段落目以降に株価や背景を追加して更新します)

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