[25日 ロイター] - 米グーグルの持ち株会社アルファベットが25日発表した第1・四半期(3月31日まで)決算は売上高と利益が予想を上回った。クラウドサービスの需要が高まったほか、広告収入が予想以上に持ちこたえた。

700億ドルの自社株買いも発表し、引け後の時間外取引で株価は一時4%上昇した。

売上高は697億9000万ドル。リフィニティブがまとめた予想の689億5000万ドルを上回った。

純利益は150億5000万ドル。前年同期は164億4000万ドルだった。

諸項目を除いた1株利益は1.17ドルで、市場予想の1.07ドルを上回った。

主力の広告事業の売上高は545億5000万ドルと、前年同期の546億6000万ドルから若干減少したものの、アナリスト予想の537億1000万ドルを上回った。昨年第4・四半期は3.6%縮小していた。消費者が店舗での買い物に戻る中で広告主が支出を削減したほか、動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」など若者に人気のプラットフォームへの広告掲載も増えている。

クラウド事業の売上高は28%増加し、74億ドルを超えた。

インサイダー・インテリジェンスのシニアアナリスト、マックス・ウィレンズ氏は「売上高、1株利益ともに予想を上回ったが、投資家が楽観的になる理由は少ない」と指摘。クラウド事業で利益を出したのは注目に値するが、「グーグルクラウド」は主要な競合2社に依然大きく後れを取っているのが現状で、成長も鈍化していると述べた。

アルファベットは景気後退懸念の中、コストの厳格管理を目指しており、1月には約1万2000人の人員削減を決定した。ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)は投資家向け電話会見で、今年の設備投資は2022年に比べて「小幅に増加する」との見通しを示した。

クラウドコンピューティングやAI(人工知能)などの優先課題に投資するため「コスト基盤を持続的に強化する」ことに努めているという。