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巨大な銀行は連結総資産規模で自動的に規制対象になるシステム上重要な金融機関が決められますが、ノンバンクについては規模に関わらず金融監視安定委員会の個別の指定が必要で、予算と専門スタッフも限られそもそも構成各委員が母体との関係で勝手に決めてもいいのかといった制約もあるようです。対象となるノンバンク(あるいは中規模銀行)からの抵抗や注文に対応する必要もあり、実質的に機能していないのが多分実情でしょう。
一つの金融機関が破綻して信用収縮が連鎖的に拡がるマクロプルーデンスの問題は巨大になったノンバンクについてもあるわけで、当局が情報を集め監視を強めたく思うのは当然です。
とはいえこれはリーマンショック後の金融危機を受けて民主党政権下で急拵えで作られたマクロプルーデンス規制が内包していた本質的な問題で、自分の支持基盤である中小銀行の規制緩和に熱心だったトランプ政権時代のガイダンスのせいばかりとは言えないような気がします。
SVBに端を発する今回の問題を理由に規制を強化すると金融機関の収益力を弱めて却っ金融システムを弱めるといった声がある中で、ノンバンクにどれだけ切り込むことが出来るのか。大事なことではありますが、実現に至るには紆余曲折がありそうな気がします。
この話は、私が今年3月に訪米し、財務省やFEDなど多数の金融規制監督当局者や有力なファンドなど市場プレイヤーと意見交換した際に、最終的な詰めの議論をしていると聞かされた内容そのもの。SVBをはじめとする「新しい動き方をする金融プレイヤー」のリスクが顕在化したことによって、その議論が勢い付いたことは容易に想像出来る。「ノンバンク」と日本語で書かれると、日本では誤解を招くので、明確にしておくと「Areas that could attract scrutiny include insurers, private equity players, hedge fund and mutual fund firms, as well as newer industries such as crypto」が対象で、保険会社、プライベートエクイティファンドやフィンテックを含む幅広い対象への監督を強化する、というのが正しい理解。

詳しくは、以下の記事に対する私のコメントを読んでほしい。

[米銀行規制、地銀破綻で大規模改革へ-監督トップが概要示す](3/29)
https://newspicks.com/news/8277189?invoker=np_urlshare_uid257547&utm_medium=urlshare&utm_source=newspicks&utm_campaign=np_urlshare
今回の提案に先立ち、IMFは世界の金融規制当局に対し、ノンバンクの監督強化を要請しています。そのココロは、今後数カ月で金融リスクがさらに高まる恐れがあること。ここでいうノンバンクとは、年金基金、保険会社、ヘッジファンドなど。

ノンバンクが世界の金融資産に占める割合は、思いのほか大きくなっています。ノンバンクのリスクは突然起きる。それはレバレッジを効かせているからです。もしこれがこけたら、大変なことになります。ノンバンクが正常に機能することは、金融システムの安定に不可欠です。

ご参考までに
https://www.ncblibrary.com/posts/112833
金融規制で市場の安定化は実現するのか? Financial Regulation = Financial Market Stability?

今回の提案は米国連邦政府の財務省にある、金融安定監督評議会によって提案されました。

その題名”金融安定リスクの特定、評価、対応のための提案された分析フレームワーク”で金融市場の安定化に関して、下記の3つの対応を提案しています。

1)潜在的リスクの認識 
2)潜在的リスクのアセスメント 
3)潜在的リスクへの対応

3)潜在的リスクへの対応においては下記の4つと提案しています。
a) 関係省庁間のコーディネーションと情報共有
b) 当局もしくは議会への提案
c) ノンバンク指定
d) 金融市場ユーティリティの指定

c) ノンバンク指定を行う事により、通常は財務省の監督下にない金融機関を財務省の監督下に置くことが出来るようになり、ノンバンクが金融市場全体に不安を与えている原因であれば、迅速に対応出来る事を狙っています。

イノベーションを優先して規制緩和を進めるか、金融市場リスクを名目により規制を強めるのか、民主党政権のバイデン政権は後者をとっているように思えます。

金融規制で市場の安定化は実現するのか? 今回のフレームワークは市場からどう判断されるのか、見極める必要があります。
ノンバンクでも、不動産ローン周りを気にしている、のではないかと思う。
金融システムがシステミックリスクになるのは、流動性がある前提で回っている資金調達が凍る瞬間と、資産クラスとして巨額なところでリスクが出てきたとき。
前者は「破綻するのではないか」という疑心暗鬼。SVBの取り付けはその一つだし、Credit Suisseもそれを意識した部分はあったと思う。後者は、不動産、債券市場の急落など(これらは全部つながっていることが多い)。リーマンショックはその両方が同時に起こったもの。

不動産は、金融と表裏一体。銀行がプレイヤーとして大きいが、銀行だけではない。銀行は資本規制が大分整備されてきたが、ノンバンクはどれくらいだろう?
不動産以外では学資ローンや自動車ローンなども規模が大きい。ただ資産を担保にするというより、雇用やその賃金水準でデフォルト率への影響が大きそうに思う。

不動産市場全般については、下記あたりなどは気になっている動き。
https://newspicks.com/news/8219931
https://newspicks.com/news/8299319
ノンバンクは、狭義では米国銀行持株会社法の銀行の定義「要求払い預金または同等の預金を受け入れ、かつ企業貸出しを行う機関」のうち、いずれか一方の業務のみ行う金融機関を指すようですね。預金受入れをすれば銀行法上の銀行になる日本の法制とは少し異なるようです。
とはいえ、問題自体はシャドーバンキングに内在するシステミックリスクと規制組込みの課題として以前から論じられてきたテーマだと思います(フィンテックの台頭はより状況を複雑にしたのかもしれませんが)。周期的な観点からも、このタイミングでノンバンクに対する網の掛け方を変えて金融危機を警戒する監督当局のスタンスは一定理解できます。実務的な視点では金融規制の更なる複雑化は悩ましいですが。。