[サンフランシスコ 17日 ロイター] - 米実業家イーロン・マスク氏は、人工知能(AI)プラットフォーム「トゥルースGPT」を立ち上げ、マイクロソフト(MS)やグーグルのサービスに対抗する考えを明らかにした。

17日に放送されたFOXニュースのコメンテーター、タッカー・カールソン氏とのインタビューで述べた。

「『トゥルースGPT』と呼ぶ、宇宙の本質の理解に向けて最大限の真実を追い求めるAIを始める」とし、「遅いスタートだが、第3の選択肢をつくるつもりだ」と述べた。

人類は宇宙の一部であるため「宇宙の理解に関心を示すAIが人類を絶滅させる可能性は低く、その意味でこれが安全への最善の道筋かもしれない」とも語った。

また、対話型AI「チャットGPT」の開発元でマイクロソフトの出資を受ける新興企業オープンAIについて、今や「マイクロソフトと緊密な関係」を持つ「クローズドソース」の「営利組織」になり、「AIにうそをつくよう訓練している」などと批判した。

グーグルの共同創業者ラリー・ペイジ氏についても、AIの安全性を真剣に考えていないと非難した。

関係筋がロイターに語ったところによると、マスク氏はオープンAIに対抗するスタートアップを立ち上げるため、アルファベット傘下グーグルからAI研究者を引き抜いているという。

また、米ネバダ州当局への提出書類によると、「X.AI」という会社を先月設立。マスク氏が唯一の取締役となっている。

マスク氏は先月、AIの専門家や業界幹部らとともに公開書簡で、チャットGPTの最新版言語モデル「GPT─4」を上回るシステムの開発を6カ月間停止するよう求め、社会にリスクをもたらす可能性があると指摘した。

カールソン氏とのインタビューでもAIに関する警告を繰り返し、「AIは航空機の設計や生産メンテナンスの不適切な管理や自動車の不良生産よりも危険だ」と指摘。「文明を破壊する可能性がある」とし、非常に知能の高いAIは驚くほど精巧な文章を作成することができ、世論を操作する可能性があるとした。

マスク氏は440億ドルで昨年買収したツイッターの価値について、最近の算定で買収価格の「半分以下」と評価したことも明らかにした。

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