米アップル、全電池を再生コバルトのみに 2025年までに
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日本および世界の電池用コバルトのリサイクル材活用度は明らかになっていませんが、EUでは域内の販売する電池に35年までに20%のコバルトリサイクル材の使用を義務付けたというレベル感からすると、2025年までに全電池にリサイクル材を利用するというのは、かなり野心的な目標です。
これまでもアップル独自の活動として使用済みiPhoneの自主回収およびロボットによる自動分解、リサイクルが行われてきましたが、全量のリサイクル材利用となるとアップル製品以外からのリサイクル材確保が必要となるでしょう。電池におけるコバルト量低減は進めるのでしょうが、量確保の観点でかなり課題が多いのではないかと思います。
一方で2025年は近い未来です。勝算があってのニュースリリースだと思われますので、達成までの道筋が明らかになれば、他の事業者への刺激になるのではと思います。スマホはLCO正極電池を使ってますから、再生コバルトのみを使う宣言は早晩出さざるを得なかったでしょう。
ちなみに世界初の商用LiBでは、LCO正極がSONYによって採用されました。ニッケルを使ったLNOでも良かったのですが、リチウムイオンをインターカレーションする際の格子歪がコバルトの方が小さいためLCOが選ばれました。
また民生用のバッテリーは回収がなかなか進まず、商社もリユース・リサイクルの会社を持ってますが採算取れずにいたので、メーカーから宣言することでサーキュラーエコノミーの第一歩になりそうですね。アップルはあまり声高に発していませんが、環境問題に関してはかなり先駆的な試みを既にしています。
ジャーナリストの林信行さんの記事「“20年先ゆく”Apple環境施策の現在地」も参考になります。
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2304/05/news182.html