令和5年度東京大学学部入学式 祝辞(グローバルファンド 保健システム及びパンデミック対策部長 馬渕 俊介 様)
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注目のコメント
馬渕俊介さんの素晴らしい祝辞から「伝え方」を学びたい。
①冒頭のラフな掴みが意外性を持ち、場を和ませる
「長い受験勉強が終わって、ついに自由。たくさん遊んで、恋人作って、ガンガンやっていいと思います。」おそらくここから真面目な話がはじまるだろうと思っていた聴衆にとっては、意外な展開なため、想定外のことを言われて「話が面白そう」と思うきっかけになっていました。
②ご自身の経歴の提示
これまでやってきたことを最初の1分程度に詰めてお話されていたので、馬渕さんのご活躍の素晴らしさを前提に、リスペクトしながら話を聞き進めることができます。スピーチをする時、相手は自分の経歴を知ってくれていると過信しないことが重要。経歴を伝え忘れると、経歴を知らない人は話を理解しにくくなってしまいます。
③シンプルな構造(ジョブズスタンフォードスピーチと同様)
一つは「夢」について。もう一つは「経験」についてです。スタンフォード大学のスティーブ・ジョブズのスピーチもこの「主に3つ語ります。1つ目はXXです。」という構図を取っています。それぞれのトピックごとにエピソードを語り、コアメッセージを設定しやすいので話がまとめやすく、聞き手側も理解しやすいスピーチの構成です。
④解像度の高く、現実性のあるネクストアクションの提示
通常、入学式や卒業式の話ではいわゆる「挑戦してください」という落とし所が多い。しかし、挑戦しろと言われたところで何に向かっていけばよいのか、なかなか聴衆は自分ごと化できずにいることが多くあります。また、規模の大きすぎること(例:世界を変える勇気を持ってください など)を語ってしまうことで、聴衆から「自分にとっては関係のないことだ」と思われる懸念が発生することもあります。
今回は、コアメッセージが「現実的で、解像度が高い」と感じました。例えば、夢についてですと「夢に関わる、心震える仕事をして欲しい」だけではなく、もう一つ「夢は、探し続けて行動し続ける人にしか見つけることはできない」と現実路線の提示をしているところや、「経験」においては「オンリーワン」のなりかた、「環境」の選び方などに触れられています。コアメッセージの解像度を高め、捉える角度を増やしていることが本スピーチが多くの人の心を動かした理由になってくると考えます。素晴らしい祝辞でした。
自分の人生を考える上での、夢・経験・リスクについて。
大学新入生はもちろん、これからのキャリアを考える全ての人に示唆ある内容だと思いました。
全ての新入生の皆さん、入学おめでとうございます!!大人が読んでも、素晴らしい祝辞。
「夢は、探し続けて行動し続ける人にしか見つけることはできない」
「民間と公共の壁や、医療と文化、社会の壁などを「越境」した経験を持って、問題解決をまとめる力は、問題がどんどん複雑になるこれからの世界では、本当に重要になります。」
「時間がすごく限られている中で、考えるべきリスクは、何かに失敗するリスクではなくて、難しい挑戦に踏み込まないことで、成長できず、なりたい自分になれないリスク、世界に対してしたい貢献ができないリスク、行動を起こさずに「現状に留まることのリスク」だと思います。」