会計事務所EY、監査・税務などの分離計画を取り下げ
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ま、予想どおりの展開です。
https://newspicks.com/news/7530968?ref=user_391390
監査を受嘱しているクライアントに対してコンサルティングも提供することは潜在的なコンフリクトになり得るため「分離しなさい」というのは世間の期待。
ただ、理屈のうえではそうだけど、当人たちの分けたくないという想いは頑なまでに強いです。これは大きな声では言えませんが、会計事務所(監査法人)のスタッフは監査だけをやるのは退屈なんですよね。
コンサルティングもできるから残っているというスタッフが多いんです。監査は過去のチェックに過ぎないので、経験としては貴重ですが、それだけを長年やり続けるのはモチベーション的にしんどいものがあります。
同時に楽しいコンサルティングもできるから会計事務所に残るモチベーションを保てるわけです。特に今回反対したアメリカではその傾向がことさら強いでしょう。
ということで、分離したら組織づくりが根底から覆るのですが、これは会計事務所が抱える不都合な真実です。
分離するよう世間の要求に応えるならば法律で強制するしかないんですが、政府も上記事情をロビイング等を受けてわかっているので、なかなかそうはならないということでしょう。2001年に全米トップクラスの優良企業といわれたエンロン社が破綻した背景に不正会計があり、ここに助言していた企業がアーサー・アンダーセンという会計事務所でした。不正会計の助言を行ったと考えられ、当時大問題になりました。その後、会計事務所がその監査先に対して戦略コンサルティングを並行して行うことを禁止する法律(米SOX法)が施行されています。
法的に認められているとしても、監査部門や分析を業務にする部門と、事業活動や投資活動に対して助力する部門が同じ指揮命令下にあると、監査で早期に得た情報を使って事業・投資を行うことへのハードルが下がるでしょう。これは公平性を阻害する行為であるほか、内容によっては法にも触れます。
これを行わないようにするためのシステマティックな方法が監査・税務を戦略立案部門から分離させることではあるのですが、法的に禁止されているわけではないので「自発的にはやらない」ということだと思います。
内部統制の観点からは、分離する方が望ましいと言わざるを得ません。一方、経営戦略の自由度やブランド価値を付けるためには同じ企業である方がメリットがあります。同じ企業内にあれば、利益相反を疑われないよう、より襟を正して事業運営する必要があると思います。これはイギリスの話であり、日本とは直接の関係は
ない事に留意が必要です。
EYの名を冠している日本法人で一番有名なのは
EY新日本有限責任監査法人ですが、
ロンドンのEYとは資本関係がありません。
ブランド名やナレッジ、ツールの共有をしているに過ぎません。
また、監査法人は税務業務ができません。
税務業務が出来るのは、税理士か税理士法人だけです。
その為、EY税理士法人という別法人になってます。
また、コンサルティング業務も、基本的に監査法人とは別法人が
請け負っています。監査法人でもコンサル業務をしますが、
メイン業務ではありません。
つまり、日本では既に法人が分離されています。
EY JAPANというグループはありますが、
これは「三菱グループ」みたいな感じで、
明確な資本関係があるわけではありません。
これは他の四大監査法人(KPMG、DT、PwC)でも同じです。
その他、税理士法人山田&パートナーズと関係の深い
山田コンサルティンググループは上場企業ですが、
税理士法人と山田コンサルティンググループは資本関係がありません。
その為、山田コンサルティンググループの有報を見ても
税理士法人山田&パートナーズの財務情報は載ってません。