京都、苦肉の景観規制緩和 マンション足りず人口流出
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これは苦肉ですね…。高さ制限は景観を守るために重要な規制。特に京都のような歴史的風致地区では当然です。(関東の人に身近な例でいえば鎌倉市の大船エリア以外の旧鎌倉地域は高さ制限8メートルで国道134号沿いのみ10メートルまで認められています)
…そして、歴史文化的資源の蓄積がすごくて地域の魅力が高い場所、つまり観光地としても人気な場所は「住宅よりホテルを建てて1泊10万円で宿泊してもらったほうが経済合理性が高い」となるわけです。同じ場所にマンションを建てようとすれば「低層の数億ション」になってしまいます。(実際、鎌倉はそうです…)よくお金持ちの象徴に「タワマン」とか言われますが、タワマンは、住宅1戸あたりの土地シェアでいくと非常に小さくなるため1戸は比較的安く提供できるわけなんですよね…。
こうした現象は「ジェントリフィケーション」(都市の高級化)と呼ばれて世界各地で先行して起こっています。たとえばバルセロナ。政府が民泊を特に規制しなかったので大家さんからすれば「あれ?バルセロナっ子に賃貸するよりも、AirBnBで運用したほうがはるかに儲かるぞ?」となりまして年率20%ぐらいで家賃が高騰しました。そうなると若者層やファミリー層を中心に家賃が払えず郊外に出ていかざるを得ませんでした。
空き家問題は…
空き家でもあったほうが固定資産税が安い(更地だけだと高い)し、撤去にも費用がかかるので、放置されがちですが、空き家税を課すことで更地にして手放す人が増えればそれを合筆して(土地をまとめて)マンション用地にできるんですけど…普通に考えると、ホテルが建っちゃいます。
高さを緩和しても限度がある気が…。
けっこう値上がりしちゃうでしょうね…。先進国の歴史ある伝統都市が景観や建築に関わる規制を強化した事例はたくさんありますが、緩和した事例(しかも、人口問題。空き家は増え、マンション不足のアンバランス)はほとんど聞いたことがありません。
京都市が検討しなくてはならないのは、人口の流出入や増減の問題よりもまずは京都市の最適人口数を設定することだと考えます。市内の環境や経済規模などから推計することは十分可能なはずです。目の前の若い世代の流出も問題ですが、持続可能な伝統都市のあり方を適正な人口数から検討してもらいたいと思います。日本の美しさの象徴のような京都が、伝統的な美しい街並みを失い他のエリアと変わらないような街の景色になっていった時、一体何が残るのだろうと悲しくなりました。
京都が最終的に目指す町のビジョンとしてネクスト東京のような大都市なのであれば方向性として間違っていないのかもですが、伝統を大切にし、それに価値を感じる人に来てもらおう、住んでもらおう、であれば違う方向に突き進んでしまっているのでは?と感じます。
私は今海外に引っ越してしまいましたが、日本に戻った時に「日本らしい風景」に出会うのがどんどん大変になっていくのは(無責任なのかもしれませんが) 純粋に寂しく思います。