不法移民急増で「非常事態宣言」=昨年の4倍ペース―イタリア
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イタリアの非常事態宣言は、新型コロナウィルス対策の時にも出されましたが、政府に臨時で何らかの措置を行う権限を授与するためのものです。
イタリアへの不法移民は、リビアかチュニジアから船に乗って地中海を渡って密入国してきますが(そして密入国である以上、正確な数はわかりませんが)、
2020年 3万4154人
2021年 6万7477人
2022年 10万5131人
と増え続けています。
そして、2023年1月月から3月の3か月間で、すでに3万1000人が入ってきたことが確認されています。
出身国は、2022年だと、
エジプト 20%
チュニジア 18%
バングラデシュ 14%
シリア 8%
などです。
https://reliefweb.int/report/italy/italy-sea-arrivals-dashboard-december-2022
非常事態宣言により与えられる権限は、6か月限定で、政府が不法滞在者を収容して強制送還することに使われると考えられます。
強制送還といっても、簡単なことではありません。航空券を買ってあげたくらいで自分から飛行機に乗って出て行くような不法滞在者ばかりなら、こんなに問題にはなっていません。
日本の入管でもそうですが、大の男が力の限り暴れて断固として出て行かない、というのであれば、数人がかりで押さえつけて拘束することになるし、そうなると負傷者が出るし、死者も出ます。
麻酔銃などを使うのは、人権上の問題になります。
強制送還だけではなく、地中海を股にかける密航業者を捕え、彼らの船を押収する、できれば北アフリカのどこかにいる元締めたちまで逮捕する、といった措置もしないと、効果は期待できないでしょう。ヨーロッパ諸国を目指し、生死をかけて海を渡る、難民という状況に置かれてしまっている人々の状況が「国際問題」と認識されて久しいです。
以前、BSテレ東の番組、食を切り口に社会問題に迫るドキュメンタリー番組「ハイパー ハードボイルド グルメリポート」にて、まさにヨーロッパ(入り口としてのギリシャ)を目指す難民らが難民キャンプで足止めをくらい、そして、そこでの悲惨な生活というものが描かれたドキュメンタリーを放映していました。
https://www.tv-tokyo.co.jp/hyperhard/backnumber/20191014/
とても興味深い内容でしたので、ぜひご覧ください。そして、同じ放送回に香港デモも扱われておりましたので、ぜひそちらも。