2023/3/31

英語「を」学ぶから、英語「で」学ぶへ。

News Picks Brand Design Senior Editor
 留学や語学学習によって積み上げた英語力。
 数年間の努力と多額の費用をかけて獲得したにもかかわらず、ちょっとしたきっかけで急激に能力が低下してしまうことが少なくない。
“久しぶりに話したら、まったく単語が出てこない”
“昔は英語が得意だったけれど、社会に出て使わなくなって忘れてしまった”
“留学していたのに、日本に帰ってきた途端に英語力が低下した”
 そんな悩みに心当たりはないだろうか。
 ビズメイツ株式会社取締役の伊藤日加氏は、英語学習者に対して次のように警鐘を鳴らす。
「英語力は使う機会が減ると、簡単に低下してしまいます。
上手に英語力のメンテナンスをしないと、気づいたら喋れなくなっているかもしれません」
カナダ出身。1996年、英語教師として、ベルリッツ・ジャパンに入社。その後、同社4校における主任教師として、教師の採用およびマネジメント、品質管理を担当し、4年連続エクセレントパフォーマンス賞を受賞。2012年6月、同社を退社。同年7月にビズメイツ株式会社を設立、取締役に就任。フィリピンの現地法人のトップも兼務。
 伊藤氏によると、英語の能力は中級者がもっとも低下しやすいのだという。
 なぜ、中級者ほど低下しやすいのか。どうやったら英語力を取り戻せるのか。
 実際に英語のスランプで悩んだビジネスパーソンの例とともにお伝えする。
INDEX
  • スピーキングとリスニングは特に下がりやすい
  • 英語を学ぶではなく、英語で学ぶ
  • 講師の採用率は1%以下
  • ビジネス英会話=ライフチェンジの手段

スピーキングとリスニングは特に下がりやすい

──なぜ、中級者ほど英語力が下がりやすいのでしょうか。
伊藤 中級者の多くは、主に国内での学習や短期留学で英語を身につけた人たちです。
 彼らが英語力を維持するのが難しいのは、毎日英語に触れる環境を作りづらいからです。
 英語力を維持するためにもっとも理想的なのは、毎日短時間でも良いので、継続的に週4日以上、英語に触れること。
 ネイティブレベルの話者の場合、外国人の友人がいたり、英語のコンテンツを日本語と同じように消費できたりするので、この条件は容易にクリアできます。
 そのため、英語力がなかなか落ちません。
 しかし、中級者の場合、少しでも気を抜くと日本語オンリーの環境になってしまい、徐々に英語力は低下してきます。
 実際に弊社が留学経験者に行ったアンケートによると、留学後英語を使う機会がなかった人の約80%が英語力低下を実感しています。
調査対象:長期間(半年以上)英語圏へ留学し、帰国して2年以上英語を使っていない会社員111名。調査方法:インターネット調査
 なかでも、リスニングとスピーキングが顕著に落ちたと感じているようです。
 リーディングなどに比べて、学習機会を作りにくいことが大きな要因ではないでしょうか。
調査対象:長期間(半年以上)英語圏へ留学し、帰国して2年以上英語を使っていない会社員111名。調査方法:インターネット調査。
──日々働いていると、毎日英語に触れるのは難しいですよね。
伊藤 英語に継続的に触れる環境は、意識しないと作れません。
 英会話は有効な手段ですが、「楽しさ」が「英語を話すこと」だけだと、最初は楽しいですが継続するのは難しいかもしれません。
 日々のレッスンが「いつか使う知識」のインプットに終わってしまっては、成長の実感を得られることがなく、英語学習は続きません。
 やる気が継続するには、日々の成長実感と役に立つという実感が必要です。
 例えば、今日習ったことが、明日仕事で役に立ったらどうでしょう。
「英語でできなかった表現ができるようになった」「英語で学んだビジネスについての知識が仕事で役に立った」という成長実感があると、次もレッスンを受けようと思えるんじゃないでしょうか。
 中級者以降の英語学習は、「いつか使うシチュエーション」を想定して英語“を”学ぶのではなく、「明日のビジネスシーン」を想定して英語“で”学ぶのが理想です。
 Bizmatesでは「ビジネスの場ですぐに役立つスキル」を英語で身につけられるようにカリキュラムを設計しています。
 実際に2人の受講生を例に、どのように英語力を取り戻し、向上させたのか紹介します。
 私は中国出身で、中学から英語を勉強し始めました。本格的に英語を使うようになったのは日本の大学院を卒業して、外資系企業に就職してからです。
 入社後、最初に配属された部署では英語が必須でした。
 英語は得意だったので、海外顧客向けに日本の商材を英訳したり、海外支社とミーティングしたり、海外出張をして現地のお客様へ提案したりといった業務を行っていました。
 しかし、4年目に環境が大きく変わりました。日本国内向けの営業に異動した途端、英語を使う機会がゼロになったのです。
 英語を使わなくなって半年ぐらいたったある日、社内で通訳を頼まれたのですが…なんと、質問に対して単語がすぐ出てこなかったんです。
 そのことに危機感を覚え、オンライン英会話サービスを探し始めました。
 Bizmatesを選んだ一番の理由は、ビジネス経験が豊富な講師が多いことです。
 講師のプロフィール欄に「マーケティング」「広告」「営業」などと、経験した業職・職種が記載されており、自分の仕事と近い業職・職種の方とレッスンをすると、かなり深いレベルでビジネスについての会話ができます。
 ビジネスで使う英語表現について、講師が細かな指摘をくれる点も、仕事に役立っています。
 例えば、私が金額についての交渉を行うレッスンで「It‘ s too expensive」という表現を使った際には、「直接的な表現なので“I’m afraid that’s over our budget”の方がいいよ」とアドバイスをもらいました。
 今は仕事で英語を使う機会を再び得ることができ、学んだ英語を生かしやすい環境になりました。
 たった半年で英語力が低下してしまった経験から、「毎日英語に触れる環境を作る」ことの大事さを痛感し、毎日25分のレッスンを4年以上続けています。
 学生時代は英語が得意でしたし、社会人になってからも週に1~2回はマンツーマンの英語スクールに通っていたので、英語はそこそこできるつもりでした。
 私は外資の製薬会社に勤務していますが、最初に配属された国内営業部では英語を使う機会がまったくありませんでした。
 けれど、数年前に社内で英語インタビューを受けた際、英語が出てこず、一言も話せなかったのです。非常にショックな経験でした。
 翌年、東京本社に異動になり、そこで突然、業務で英語を使うようになり、英語学習の仕方を変えることを決意しました。
 Bizmatesで学び始めてからは、ビジネスシーンに特化した「Other Programs」を好んで受講しています。
「Other Programs」のレッスンは「Eメールライティング」や「プレゼンテーション」「電話会議」などと目的別に細分化されており、各シーンの定番フレーズを学び、自分の実務に落とし込んだロールプレイができます。
 特に良いところは、ビジネスパーソンとしての礼儀、仕事の進め方、注意すべきことまで学べることです。
 例えば、他社との交渉で不安を感じた時には「ネゴシエーション」のプログラムで交渉の仕方について講師と話し合いました。
 講師からは交渉の進め方について、「交渉は勝ち負けではく、両者の合意をとるもの。妥協できるところと、そうでないところを相手との関係性を考慮しながら見極めよう」とアドバイスをいただきました。
 授業を受けて、こちらの意見を一方的に通そうとするだけではなく、相手の主張を受け入れることを意識できるようになりました。
 レッスンを通じて英語でビジネスについて学べることが、日々のモチベーションにつながっています。
藤田さんが受けたネゴシエーションの授業の教材。交渉の進め方や合意形成のあり方などを学ぶ。

英語を学ぶではなく、英語で学ぶ

──お二人の英語力復活の要因はどこにあるのでしょうか。
伊藤 「できないことができるようになってきた」「学んだことが実際に使えた」という実感を得られること、英語力だけではなく、ビジネススキルの面でも成長を実感できているという部分が大きいでしょう。
 Bizmatesはレッスンを通じて、受講生に「グローバルな環境においてビジネスで成果をあげるために必要な5つの要素」を身につけてほしいと考えています。
 最初は英語自体を学ぶことが学習のメインになりますが、最終的には英語でビジネスに必要な多様性やコミュニケーション力を学ぶようになっています。
──5つの素養は、具体的にどのようなカリキュラムで身につくのですか。
伊藤 Bizmatesでは、受講生が4種類の教材から、レッスンごとに好きなプログラムを選んで受講できます。
 基礎プログラムの「Bizmates Program」では、初心者から上級者まで段階的かつ体系的に、リーダーシップやダイバーシティの考え方など各素養を身につけられます。
 38種類のテーマに分かれている「Other Programs」は、さまざまなビジネスシーンでの対応力を身につけるためのプログラムです。プレゼンや海外出張などで必要なフレーズやルールなどを習得することができます。
「Assist Lesson」は、メール添削や面接練習など、自身の課題を自由に持ち込み解決できるフリーカスタマイズレッスンです。
「Discovery」ではさまざまな記事を題材に、講師とディスカッションを行います。
 扱うジャンルは幅広く、「Zoom疲れ」や「AIと一緒に働く明るい未来」など時事的なテーマや「敗北の中の勝利」や「生きるために働くか、働くために生きるか」といった哲学的なテーマまでを網羅しており、現在1000本以上の記事があります。
 こうした授業を行うのは、すべてビジネス経験が豊富な講師たちです。

講師の採用率は1%以下

──なぜ、講師にビジネス経験を求めるのでしょうか。
伊藤 講師には単なる英語の先生ではなく、仕事の話もオープンに話せるビジネスの相談相手であってほしいと思っているからです。
 そうすることで、英会話の時間がビジネスの成長の時間にもなります。
 英語講師の経験だけでは、ネゴシエーションや異文化コミュニケーション、プレゼン方法、会議での話の運び方といったテーマを教えることはできません。
 講師の採用に際しても、さきほどの5つの素養を持っているかを重視して採用しています。
 さまざまなビジネス経験を持つ講師が在籍しており、元GoogleのエンジニアやMBA保有者など受講生の仕事に共感し相談に乗ることもできます。
──Bizmatesを上手に使う方法を教えてください。
伊藤 受講生自身の悩みを積極的にレッスンに持ってきてほしいですね。
『会議の練習をしたい』『英語のメールの返事に悩んでいる』といった、相談や自分の悩みを持ってくれば、きっと楽しいレッスンが生まれると思います。

ビジネス英会話=ライフチェンジの手段

 私たちは、「英語をただの趣味やスキルではなく、人生を変える=ライフチェンジの手段」だと考えています。
 英語ができると、昇進や転職、住む場所など、人生の選択肢は何倍、何十倍にも広がります。
 Bizmatesは英語を話せるようになることで、人生の転換点を作りたいと思う方を中長期的にサポートする存在でありたいと考えています。