[10日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)は10日、米製薬大手ファイザーの片頭痛治療の点鼻スプレー「ZAVZPRET」について、後期臨床試験のデータを基に承認した。片頭痛に悩む患者にとって効き目の早い鎮痛剤の選択肢の1つとなる可能性がある。

ファイザーは昨年、バイオヘイブン・ファーマシューティカルの買収を通じて、FDAが承認済みの片頭痛経口薬「ナーテックODT」を入手した。ファイザーは片頭痛治療薬群全体のピーク時の売上高を約60億ドルと見込んでいる。

ZAVZPRETはカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の作用を阻害する治療薬。ファイザーはロイターに対し、同薬の発売は7月の予定で、価格は同じグラスに属するFDA承認済みの治療薬と同等になると明らかにした。

同薬は、アッヴィ、イーライリリー、アムジェン、テバ・ファーマシューティカル各社のCGRP受容体拮抗薬と競合する。

クリーブランド・クリニックの精神科医、イマッド・エステマリク博士はZAVZPRETについて、ほかのCGRP受容体拮抗薬と比べて、心血管リスク因子を持つ人にとって安全であり、薬物乱用による頭痛を引き起こさない、という2つの利点を挙げ、点鼻スプレーであることも経口薬を飲み込めない患者にとって便利だと指摘した。