2023/3/11

【専門家が警鐘】HSPについて「繊細さん」が知るべき問題点

NewsPicks 編集部 記者・編集者
ここ数年、目にする機会が増えた「HSP」をご存知だろうか。
HSP(Highly Sensitive Person)はアメリカの心理学者エレイン・アーロンが提唱した概念だ。周囲からの刺激に敏感な「繊細な人」を指す。
このHSPの概念を広く一般向けに紹介した武田友紀氏の著書『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』(飛鳥新社、2018年)は大ヒットし、現在までに60万部を超えるベストセラーになっている。
ブームは一時期よりも沈静化しているが、自分を知るキーワードの一つとして定着し、今もHSPに関する書籍が新たに発売され、セミナーなども多く開講されている。
テレビ番組で紹介されたり、YouTubeで解説する動画を目にすることも多い。SNSでは、プロフィール欄に自分はHSPだと書く人をたくさん見つけることができる。
人から「繊細すぎる」「考えすぎだ」と言われ、傷つきやすい内面に悩み、「生きづらさ」を感じてきた人にとって、HSPという言葉との出会いは、自分を知るきっかけになっている。
また同時に、繊細さには豊かな感受性をもたらすポジティブな側面もあることを知って励まされたり、救われた人も多いだろう。
しかし、実は最近、ブーム化したHSPに対して、心理学の専門家が警鐘を鳴らす動きが出てきている。
HSPとは何か、また何が問題なのか。自分はHSPだと感じる人は何に注意したらいいのだろうか。専門家に取材した。
INDEX
  • HSPとは何か
  • 専門家が問う「功罪」
  • 自己愛的振る舞いに周囲は「モヤモヤ」
  • HSPは発達障害と同じ?
  • ブームは負の側面が大きい