[ハンブルク 8日 ロイター] - ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は8日、欧州に複数のバッテリー工場を建設する計画を進める前に、米インフレ抑制法に対する欧州連合(EU)の対応を見極めると表明した。

関係筋は匿名を条件にロイターに「事実上、北米をはるかに優先しているということだ」と述べた。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は以前、VWが東欧のバッテリー工場建設計画を停止し、90億─100億ユーロ(105億4000万ドル)の補助金が得られる北米での工場建設を優先すると報じていた。

VWの広報担当は、この報道について「東欧と北米の次のバッテリー工場の適切な候補地を現在も検討している。まだ決定はしていない」と述べた。

同社は2021年3月、欧州に6つのギガファクトリーを建設すると表明。生産能力は合計240ギガワット時になるとの見通しを示していた。

VWは8日発表した声明で「30年までに欧州に約240ギガワット時のバッテリー工場を建設する計画を堅持しているが、そのためには適切な構成条件が必要だ。このため、EUのグリーンディールがどのようなものになるかを見極める」と述べた。