「当社なら必ず有意差を出せます!」 臨床試験を絶対クリアさせるサービスが登場し物議 意図を聞いた
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あるサプリメントなどの効果を検証する時に、サプリメントを投与したグループと偽薬(プラセボ)を投与したグループで効果を比較します。サプリメントの効果がなかったとしても、10回、20回と繰り返すとたまたま2つのグループに差が生まれることがあります。この会社はそのような偶然の差が出るまで試験を繰り返し、差が出た試験(つまりサプリメントの方がたまたま有効であるという結果が出た試験)のみ論文で報告するということで「有意差保証」をうたっています。臨床試験としてはご法度であり、これまでこのサービスを利用してきた論文にも疑いの目がかけられることになりそうです。
注目のコメント
「有意差が出るまで試行を繰り返す」というのが、文字通りであれば典型的な統計学の誤用。サンプルサイズの設計だったりで有意差が出やすくできますよ。というならば、マトモだが、ただ何度も試行するというのでは誤り。
これは多重検定の問題・多重比較の問題と言われて、本来は有意差が出たかどうか決める水準に補正を入れなければいけません。
https://tjo.hatenablog.com/entry/2018/06/12/093633
最も手軽にかつナイーブに厳しく補正するのがボンフェローニ補正と呼ばれるものですが、これで有意差が出ないとなると他にいくつも補正法はありますが統計の専門家と組んでやった方がよいと思います。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%8B%E8%A3%9C%E6%AD%A3