不眠障害の治療支援アプリに国の承認 活用に向けた動き活発に
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治療アプリのメリットは、一言でいうと、これまでの外来治療では困難であった「医療者と患者のコミュニケーション」を頻繁に、円滑に行える点だと思います。
医療者から患者へのコミュニケーションには
・生活習慣の行動変容(睡眠、禁煙・禁酒、食事・運動、血圧・血糖測定など)
・内服のタイミングのリマインド
・定期受診の促進
患者から医療者へのコミュニケーションには
・睡眠時間や血圧、血糖値などの、日々の自己測定データ
・慢性疾患の主観的な評価、観察
・内服薬(コンプライアンス、頓服の使用頻度)
などがあります。医師の立場としては、慢性疾患では短時間の外来受診の中でこれらを行うのはなかなか難しいのですが、アプリでリマインドや情報の整理をすることで、それぞれの病気や症状をより正確に管理することができるようになります。
睡眠に関しては技術の進歩によりスマホやアップルウォッチなどで生体データが取りやすくなったことから、アプリとの相性が良く、今後活用の幅が広がってくるものと思われます。2021年12月に上場したサスメド社による治療アプリがついに医療機器製造販売の承認を取得したとのこと、大変素晴らしいですね!
サスメドは不眠障害を認知行動療法によるアプローチで治療するものです。
本アプリでの臨床試験では、ロジックを組み込んで作った治療アプリと、見た目は同じだけどロジックは組み込まれていないシャム群での”二重盲検比較試験”を実施しており、統計学的な優位差が認めらていました。
(つまり効果があることが信頼性高く評価できるということ)開発企業のサスメド、中々やりますね。
ちなみに、医薬品、医療機器は効果が乏しいものは承認されなくなっています。普通、使用するグループと使用しないグループを分けて、それで十分な差がついているものでないと承認は得られません。多くの人に効くということを確かめたうえでの承認なのです。