カロリーゼロの甘味料、心臓発作や脳卒中リスク増大と関係 米研究
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良記事です。米国は重度肥満の方が多いので甘味料に対する関心が高いのですが、特に重要な研究成果だと思います。
エリスリトールは、天然ではぶどう糖を原料として酵母を用いた発酵により生産されます。最近は「砂糖代替甘味料」として使用量が伸びていると思います。虫歯の原因になる酸を作らないとされ、口に入れた時に熱を奪うことから、冷涼感が感じられる印象的な糖質です。
「糖尿病など心疾患の危険を伴う基礎疾患がある人は、血中のエリスリトール濃度が高い場合、心臓発作や脳卒中のリスクが2倍になることが分かった」とありますが、現在の範囲では「注意すべき」レベルの話だと思います。そもそも当該基礎疾患の方は健康維持には多方面に細心の注意を払う必要があるので、それ(危険因子)に加わるという位置づけになると思います。
今後多くの研究者が、より詳細な結果を求めて調査に関わると思います。今後の研究の発展が期待されます。砂糖の方が良いという意味ではありません。読み方には気を付けた方が良いと思います。
注目のコメント
この論文だな。
https://www.nature.com/articles/s41591-023-02223-9
この文献を読むまでは『単なる交絡因子でしょ』と思ったが、地道な追跡がされているうえ、小規模(8人)とは言えヒト介入試験での検証を行っているため、大衆雑誌の健康記事とは格式が違う。さすがはNature medicineに掲載されるだけありますな。とは言え、現状ではそこまで過敏に反応しなくてもよいと思いますわ。
真実はデータの蓄積で明らかになると思うが、アメリカでは弁護士が訴訟ビジネスの準備をしているでしょうな。新しい視点ですね。
2倍はやや大きいので、これが本当なら注意したほうがいいと思います。ただし、体重や高血圧、年齢など他の因子で調整した数字であるかは重要(つまり、太っていたり、血圧が高いことの方が原因でそれが解消されていない状態で、多少甘味料をとっても無駄なのに、そういう人ほど甘味料を取っていた場合には、原因を取り違えることなります。その可能性は否定されていません。また、年齢は独立な因子として振舞うことが多く高齢の方は一定の率で避けることは難しいものです)ですし、サンプルサイズが大きいかということも重要です。
こういうことに関して、網羅的にエビデンスが蓄積できたら実はすごいことになります。スマホアプリやスマートウォッチなどウェアラブルデバイスで情報を収集・蓄積出来たらかなり強いと思います。
ただし、相当なビッグデータが必要で、観察期間も長くとらなけばいけませんし、言うは易しですが、行うのは地味に大変だと思います。
(それぞれの人の全エクソンシーケンスぐらい取っておけば、さらに相当に強力なのですが、それを行う実行力は相当なものでしょう。)
追記:
もうちょっと、考えてみましたが、やはり、エリストールを取っている人は70代や80代ばかり、エリストール取っていない人は50代、60代ばかりみたいなデータだと交絡がおきますね。そういったことになっていないか注意する必要はあります。
追記のところ、逆に書いていたので訂正してあります。