中国とテスラの「蜜月」一変、共産党がビッグデータ流出を警戒
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テスラなどスマートEVメーカーの車輌は多数のカメラ、センサーを搭載しており、しかも、システム改善のために収集したデータを自動車メーカーにフィードバックする機能を持っています。これが機密情報漏洩につながるのではないかと懸念されているわけですが、テスラは疑惑払拭のために中国にデータセンターを開設し、中国のデータを国外に持ち出さない仕組みを作りました。
ここまでは2021年の話です。
その後、北戴河会議や軍施設への立ち入りは禁止されていますが、中国にとってもEVサプライチェーン構築や輸出を牽引してくれるテスラはありがたい存在で、これ以上関係が悪化することはありませんでした。
今、テスラと中国政府にすきま風が吹いているとすれば、衛星インターネット・スターリンクの問題です。衛星インターネットは中国政府も検閲が不可能なだけに、テスラ以上に厄介な存在ではありますCASEで自動車のコンピュータ化が加速すれば、当然データ規制の問題は出てきます。
最近BYDによる日本進出が話題となるなど、中国製EVの世界進出は進んでいます。
しかし、将来的には通信基地局や監視カメラなどと同じ文脈で、中国製EVの輸入を規制する動きが出てくるかもしれないと思っています。中国製造2025、中国標準2035、2035交通強国戦略など、中国の国家戦略を広い目で俯瞰し、彼らの裏の意図をきちんと理解すべき時にきていると感じます。
日本企業は単に量を追う近視眼的なビジネス視点を持つだけではダメで、各国の本当の意図はどこにあるのか、を先読みするスキルが経営者には問われる時代になっているのかもしれません。
今回の例で言えばBEVで先行するテスラの生産技術を全抜きし、自国のBEV産業を育成することが本来の意図だったことは明らかですし、中国市場の大きなパイという美味しいにんじんをぶら下げられた際、どこまで冷静な判断ができるかが重要なのかな、と思ってしまいます。