【転換】裏から表へ。包囲網に直面するTikTokの大いなる悩み
- 広がるTikTok包囲網
- 一転、「表舞台」へ
- 安全性を盛り込んだ「提案」
- 「提案」への弱い反応
- 米国が拭えない疑惑
- 問題を「公にする」方法
- リスクはゼロにできない
- 拡大するロビー活動
- 「疑問は多く残っている」
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以前にファーウェイも、バックドアの疑惑に対してソースコードを開示するので確認して欲しいと提案しましたが、受け入れられませんでした。TikTokについての最大のリスクとされているのは、中国政府の不透明な手続きでの要求にTikTokは従わざるを得ないのではという、かなり曖昧な不安です。それを否定することは「悪魔の証明」であり、きわめて困難です。
1980年代に日本の半導体産業がアメリカを追い抜いた際に、「アメリカの防衛産業を脅かすという安全保障上の問題がある」とされて、激しく叩かれたことを想起させます。それから十数年間、アメリカ政府は日本政府に圧力をかけて不平等な半導体貿易協定を結び、日本の半導体産業を叩いて叩いて叩きまくって、叩き潰しました。
日米安保条約を結んだ同盟国日本に対してすらこの扱いですから、仮装敵国の中国の企業に対しては、まして激しく叩くことでしょう。
少なくとも本記事を読む限りでは、TikTokに何か怪しい点があるというよりも、「大きく成功した中国企業である」ということのみによって、厳しい立場に立たされているようです。
サーバをオラクルに移し、情報流出を防ぐ対応を取り、定期的な査察も受け入れるというのに、「対米外国投資委員会からの反応はほとんどない」というのは、要するに「そういう問題ではない」からなのでしょう。
TikTokのユーザー(世界)は15億人、月間アクティブユーザーは10億人。
巨大なソーシャルメディアが、アメリカで苦境に立たされています。この問題が始まったのは最近ではありません。トランプ大統領の時代から大きく取り沙汰されていましたが、ここにきて「データ管理、プライバシー、国家の安全保障」という観点から議論が再燃しています。
TikTokも黙っていられない。簡単に諦められないほどビジネスが成長しており、どうアメリカ政府と折り合いをつけるのか、バトルが始まっています。
面白いのは彼らの戦略の転換。詳しいNYTのレポートからは、TikTokがIT業界をリードする一面を持ちながら、中国・アメリカの政治に翻弄されている苦しい姿が描かれています。
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