2023/2/6
【転換】裏から表へ。包囲網に直面するTikTokの大いなる悩み
TikTokが再びアメリカで騒がしい。
TikTok親会社のバイトダンスを経由し、ユーザーのデータが中国政府に渡っているという疑念が再燃しているのだ。
アメリカでは昨年末に、政府機関や軍が使う端末でTikTokの利用を禁止する法律が成立した。日本におけるTikTokの立ち位置とは全く異なっているのだ。
知名度が増すことで、政府の注目を集めることも増えているが、これまでTikTokはその戦略や政府との交渉を公にしてこなかった。
目立つことは事業にプラスにならない、そう考えたのかもしれない。
しかし、その方針を一転、CEOがメディアのインタビューにも登場し、3月23日にはアメリカの下院公聴会で証言することになっている。
ここでは、プライバシーとデータのセキュリティ、中国政府との関係について議論が交わされる予定だ。
TikTokはこの機会を、自分たちの取り組みを説明し、広く知ってもらうチャンスだと捉えているようだ。
はたして、彼らはアメリカで生き延びる道を見出せるのか、ニューヨーク・タイムズの記事を紹介する。
INDEX
- 広がるTikTok包囲網
- 一転、「表舞台」へ
- 安全性を盛り込んだ「提案」
- 「提案」への弱い反応
- 米国が拭えない疑惑
- 問題を「公にする」方法
- リスクはゼロにできない
- 拡大するロビー活動
- 「疑問は多く残っている」
広がるTikTok包囲網
TikTokの周受資CEO(最高経営責任者)は先週、米ワシントンで影響力を持つ複数のシンクタンクや公益団体と会談し、アメリカ人ユーザーのデータが国外に流出するのを防ぐ計画を詳細に説明した。
その後、同社のロビイストが、TikTokのアメリカでの利用を禁止する法案を提出した議員の元を訪れ、データ保護に関する同社の方針は信頼できるものだと訴えた。
周受資CEO (写真:Haiyun Jiang/The New York Times)
アメリカの規制当局は、もう何年も前から中国企業が運営する人気の動画共有アプリTikTokに注目している。
ドナルド・トランプ前政権もジョー・バイデン現政権も、アメリカ人ユーザーの情報が中国政府の当局者の手に渡ることがないようにする方法について検討してきた。
TikTokはその間ずっと、ワシントンで控えめな姿勢を保ち、政府当局者とのやり取りを一切明かさず、ロビー活動も控えてきた。
だがバイデン政権との交渉が長引くなか、各方面からTikTokに対する圧力が高まった。米連邦議会、州議会議員、複数の大学や都市がTikTokの利用禁止を決定している。
一転、「表舞台」へ
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