2023/2/2

【解説】ビッグテックに逆風、ネット広告「包囲網」の正体

NewsPicks 金融ジャーナリスト
「ビッグテックが一般の米国人にもたらすリスクは明らかだ。連邦政府として、真剣に自国民のプライバシーを保護することが必要になっている」
アメリカのジョー・バイデン大統領は、先月の米紙への寄稿で、ビッグテックによる個人データの収集や不適切な利用を厳しく批判し、プライバシー保護強化の必要性を訴えた。
驚くことに、米国には国全体で取り締まる「プライバシー規制」がない。テクノロジー分野を世界でリードしているにもかかわらずである。
欧州ではEU一般データ保護規則(GDPR)、日本では個人情報保護法といった国全体でのプライバシー規制が存在する。
米国では、州ごとに規制を設けて対応しているのが現状だ。
そして昨年、国として取り締まるべきとの意見が強まるなか、議会に提出されたのが「米国データプライバシー保護法(ADPPA)」案だ。
成立の機運はこれまでになく高まっており、仮にADPPAが成立すれば、ハイテク企業はより慎重に個人情報の処理を行わなければならなくなる。
ユーザーから得た大量のデータを元に、莫大な収益をあげてきたビッグテックや広告に関わる企業にとっては強烈な逆風だ。
この法案は一体どんなものなのか、そしてビッグテックの「おいしいビジネス」をどう変えていくのだろうか。
INDEX
  • 相次ぐ米テックへの制裁
  • アップルが制限を強化
  • 新規制案の注目ポイントは?
  • ターゲティング広告に吹く猛風
  • 成立の可能性は?

相次ぐ米テックへの制裁