ガスコンロの禁止、米国が検討-汚染物質排出に伴う健康被害の指摘
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都市ガスの主原料である液化天然ガス(LNG)は、天然ガスから製造される燃料であり、その際に硫黄などの不純物は可能な限り取り除くプロセスを経ています。
燃料が燃焼する(すなわち酸素分子と結びつく)際に供給される酸素量が少ないと燃焼ガスが二酸化炭素(CO2)にならず一酸化炭素(CO)が発生します。一酸化炭素が大量に血液中に入ると、本来体内に酸素を運ぶ役割をもつ「赤血球(ヘモグロビン)」と強力にくっついてしまい酸素が運べなくなる酸欠状態を引き起こし即死に至らせますが、都市ガスのみならず「燃焼」という化学反応では生じるリスクが避けられない種類のものです。
したがって、ガスコンロ(つまりすべての都市ガス)を禁止するということは、「すべての燃料の室内での燃焼は禁止する」にしないと矛盾が発生しますし、室内環境に対してこれに対抗できるのは「電気」しかありません。しかし電気も(室内発生ではありませんが)発電段階で何らかの環境破壊をおこします。
ここまで厳格な制限は現実離れしているという議論が今後起こっても不思議ではありません。「えええ!?」って記事ではあるのですが。感情的に反発するのは「科学的態度」とは言えませんよね。天然ガスやプロパンガス、どちらも「必要な程度に精製」されているのはもちろんですが、他方「取り切れない不純物を含んでる(もしくはそこまでやるコスト負担に耐えられない)」というのも事実です。
今回、「通常の家庭での使い方をしていてもそのリスクは許容できない程度に大きい」ということが科学的に示された、ということであれば、「何らかの対策」が取られるのは自然なことだろうと思います。
ただ、問題は「使わないことで生じる社会的コスト(損失)と、その対策により得られるベネフィットをきちんと評価、バランスさせること」です。
何かにつけ「ゼロリスク志向」が強い、といわれるわが国ではなおさら、この考え方を定着させる必要があると思います。
過去の例でいうと。「発がん等のリスクがある」という理由で、水道水の塩素消毒をなくした、という国がありました。結果逆に「消毒不十分な水のせいで体を壊す人が大発生…」もとに戻すことになった、なんて話もあったりするのです。
過ぎたるは及ばざるが如し、ということですかね(笑)。ちなみに固形バイオマス燃料も懸念されている模様。
https://www.nejm.jp/abstract/vol387.p1735
室内では火を使わない方向になるのだろうか。
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