2022/12/25

【斬新】今、一番面白いマーケターは「嫁」である

NewsPicks 編集部
これまで芸能人をスターに押し上げるのは、事務所、そしてマネージャーの仕事だった。
いや。もはやYouTubeもあるし、誰でもフリーで活躍できる、もしくは自分で事務所を立ち上げる方が時代だよ、と思うかもしれない。
だが、2022年、そこに「第3の道」を切り開く、イノベーターが登場した。
それが「嫁」である。
芸能人、特に芸人の「嫁(=妻)」と言えば、古くは売れない芸人の下積み時代をひたすら支え続ける姿だったり、今だと、嫁、家族総出でYouTubeに出るコンテンツを見るのも珍しくない。
だが、芸人・みなみかわ(松竹芸能)の妻、雅代さんは全てが斬新だ。
夫は、実力に見合った露出を得られていない──。
そんな確信から、いきなり正社員の仕事を辞めると、自ら勝手に動き始め、超人気芸人のSNSにDM(ダイレクトメッセージ)を送り付け、そこで夫の知らぬ間に大型の仕事を獲得しまくっていく。
何しろ、今年初めの一月は25日も休みがあったのが、今や3日しかないほどだ。
かつてなら事務所を通さないと、こんな大物芸人との仕事なんて取れなかった。しかし、誰しもがSNSを使い、YouTubeもやってる今なら、そんな「中間」の存在にとらわれずに、思い切って直接飛び込めばいい。
みなみかわの「嫁」は、こんな時代の変化を捉えたプロデューサーであり、大胆な戦略を描ける生粋の「マーケター」に違いない…!
そんな確信を抱いて、今や本人も番組に引っ張りだこの雅代さんに会いに行くと、勝手な予想が良い意味で裏切られるほど、直感的で、大胆にまっすぐで魅力的な人だった。
INDEX
  • Q1. 何をしてる人?
  • Q2.どんな「すごい」に挑戦中?
  • Q3. なぜ型破りなことができた?
  • Q4. 今、1億円を自由に使えるなら?
  • Q5. 2023年の抱負は?

Q1. 何をしてる人?

──そもそもなぜ、雅代さんご自身が、夫のみなみかわさんを売り込み始めたのですか?
みなみかわはこれまで、テレビに出ても見せ場のほとんどが、一発芸でした。
「『システマ』という、どれだけ殴られても、痛みを感じない呼吸法ができます」と言って、殴られて、痛くないですと言う。
この流れのためだけに番組に呼ばれていました。
当時から、どうしたらトークもできる本来の面白さが出せるのかと、漠然と考えていました。でも、芸人の嫁がどうにかできる問題ではありません。
でも、2021年頃から、「さんまのお笑い向上委員会」や、佐久間宣行さんの「ゴッドタン」に出していただき、ようやくみなみかわの強さを世間の皆さまに披露できました。
そして、千鳥の大悟さんが、2022年の正月一発目のテレビで、「2022年に売れるのは、みなみかわだ」とお墨付きをくださった。
私としては、「ついにきた」と思ったわけです。
でも、ふたを開けてみると、1月は休みが25日間。
これはおかしいと、本人が松竹芸能のマネージャーに相談すると、「みなみかわは、好きなことをやりたいタイプの人間だから、仕事を入れる感覚がなかった」と。
マネージャーって、仕事を取って来るものだと思いますよね。少しずつ力を見せられていても、会社が売り込まないことには始まりません。
そこで、もう事務所には任せておけないから、私がやらなくてはいけないと、動き始めたのです。