2022/12/16

【伏兵】実は日本進出10年目、「ピンタレスト」が広告で攻勢

NewsPicks 編集部 記者
最近、テレビCMによく出くわすという人も多いのではないだろうか。
お笑いコンビのチョコレートプラネットやタレントの藤田ニコルさんら、旬の芸能人を起用したCMを連発しているのが、写真・動画共有サービスの米Pinterest(ピンタレスト)だ。
2010年創業で、2013年に日本語版を開始。インターネット上から好きな画像や動画を集め、自分専用のデジタルスクラップブックを作り、ほかのユーザーと共有するSNSとして注目を集めた。
当初こそ話題になったが、写真共有の分野では「Instagram(インスタグラム)」が爆発的な人気を得て圧倒。以降、ピンタレストが話題に上がることは少なかった。
とはいえ、縮小したわけでもない。地道にユーザー数を伸ばし、現在では月間アクティブユーザー数は全世界で約4億5000万人を抱える。日本では2021年に870万人に達した(ニールセン デジタル調べ)。
現在のピンタレストはSNSというより、画像や動画に特化した検索サービスといったほうがよい。
「ファッション 秋冬」「一人暮らし インテリア」といったキーワードで検索し、コーディネートや引っ越しの参考にするといった使い方ができる。見つけた写真から、類似商品を芋づる式に探し、“アイデア集”を作れるのだ。
2021年には日本で初めてテレビCMの放映を始め、消費者や企業からの認知度向上を図っている。そんな中、2022年6月には広告事業を開始。ようやく日本での収益化を始めた。
メタやツイッターなど大手テック企業で広告ビジネスの経験を積んだ人材をかき集め、この1年ほどで日本法人の社員数は5倍になったという。
買いたいものを探すユーザーが多いピンタレストには、徐々に広告主からの注目も集まっている。2021年10月に日本法人のカントリーマネージャーに就いた成田敬氏に、日本事業の戦略を聞いた。
INDEX
  • SNSではなく「ビジュアル探索」
  • 画像認識技術でレコメンド
  • 購買意欲の高いユーザーが多い
  • 広告主で多いのは消費財と小売り
  • ユーザー数が足踏み?
  • 小売りとタッグを組める

SNSではなく「ビジュアル探索」