どうなる? 「ツイッターのない世界」
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記事でも指摘されている通り、Twitterは「ニュースと情報のネットワーク」だ。
弊社(JX通信社)も、全国の大半の報道機関にFASTALERTというサービスを通じてTwitterを含むSNSからの災害、事故などのリスク情報を配信している。サービスリリースからかなり短期間ですべての民放キー局をはじめ広く普及しただけでなく、今は政府・自治体などでもかなり導入されている。
その背景としては、やはり「後から行くカメラマンには絶対撮れない現場の状況」が分かることが大きいだろう。現場で、目の前で起きていることをリアルタイムに伝えられるのはそこにいる当事者や目撃者しかいない。彼らがいるから今まで分からなかった災害や事故、事件の実態が分かるということが飛躍的に増えた。テレビでも「視聴者提供」のクレジットのついた動画が頻繁に報じられるが、これは殆どがFASTALERT由来だ。
元々、こうしたユーザー発の情報(UGC)を報道に用いるながれは中東で2000年代前半に始まった。戦争やテロなどで危険地にジャーナリストが入りにくい状況の中、携帯電話や小型カメラなどのデバイスを手にした市民が代わりに現場の状況を伝える。まさにテクノロジーの進歩で起きた変化だった。Twitterはそのながれを大きくドライブさせたプラットフォームで、日本でも3.11が契機となり、市民発のニュースがシェアされる場として圧倒的な存在感を持つに至った。マスク氏はそうしたTwitterを更に成長させようとしているが、上手く行かない場合でもその役割を代わりに担えるプラットフォームが存在しなければ、世界のジャーナリズムが大きく後退することは間違いない。そもそもTwitterは無くならないと思う。
それを、「このままだとTwitterはなくなる→ツイッターがなくなれば、ジャーナリズムに壊滅的な影響を与えかねない」というロジカルに考えて無理のある主張は、既存のジャーナリズムからツイッターに転職し、イーロン・マスク氏の登場で、以前のように安穏と過ごしにくくなった多数の従業員と彼らに近いどちらかといえば左寄りのジャーナリストだけが言っているものではないかと、私は疑いを持っています。