2022/11/26

【チャートで理解】世界の人口が「80億人」になった

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INDEX
  • ①人口増は「失敗」なのか?
  • ②中国はもう抜かれるのみ
  • ③「カネ」の問題が起きる

①人口増は「失敗」なのか?

「80億おめでとう!」
国連人口基金(UNFPA)のナタリア・カネム事務局長が、記者団にそう語ったのは11月15日のこと。この日が特別なものになることを、カネムはずっと前から知っていた。
国連によると、この日は世界の人口が80億人を超えた日だ。70億人を超えたのは2010年だった。
だが、「おめでとうだなんて能天気な」と批判する悲観論者もいるかもしれない。
今秋NYのイベントに参加するカネム氏(写真:Theo Wargo/Getty Images for Global Citizen)
カネムがこの発言をしたのは、タイのパタヤで開かれていた「家族計画に関する国際会議」でのこと。だいたい、世界の人口が増え続けているのは、家族計画の失敗を示唆しているのかもしれない。
それに今は、エネルギー燃料から半導体離乳食住宅まであらゆるものが不足している。
そんな時代には、人口のわずかな増加も大きな不安材料になると思いたくなるのは理解できる。
だが、派手な数字だけで判断すると、全体像と細かな現実の両方を見落とす恐れがある。たとえば、人口の伸びは鈍化している。2022年の世界の人口の増加率はわずか0.8%だった。1960年代はその3倍のペースで増えていた。
いまや世界の人口のピークさえ予想できる。100億4000万人ほどで、2080〜2100年に達する見込みだ。
それ以降、世界の人口は減少に転じるだろう。
現在、世界的に見られるトレンドは、出生率の低下だ。