2022/11/19

【渡辺努】インフレはチャンス。経済学が示す日本の希望

東京大学 経済学研究科長・教授
欧米を中心に、世界的なインフレが今なお続いている。
日本では、ロシアによるウクライナ侵攻と原油高・原材料高のタイミングが重なったことから、原因をそこに求める向きが大きかった。
しかし、真の原因はパンデミックによる「モノ経済への移行」「供給不足」にあったと解き明かすのが、渡辺努氏の新刊『世界インフレの謎』(講談社現代新書)だ。
前編では、従来の経済理論が今回のインフレに太刀打ちできなかったことや、渡辺氏を含む多くの経済学者が翻弄された過程も伝えながら、今起こっているインフレの本質を解説した。
供給不足が原因であるがゆえ、欧米ではインフレと同時に賃金の上昇も進んでいる。翻って日本では、欧米ほどのインフレは起きておらず、また賃金も動かない。
円安による物価高のあおりも受けるなか、今後の日本経済はどうなっていくのか? 後編のインタビューで迫っていく。
INDEX
  • 欧米のようなインフレが日本にも
  • 「安い日本」は円安以前から
  • 賃金は「上がらなくて当たり前」?
  • 消費者の権利意識ばかりが強い日本

欧米のようなインフレが日本にも