スパコン「富岳」2位 ランキング、前回と同じ
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統計から言えること、富岳一極で普及はまだ。
以下を基に解説してみます。
https://www.top500.org/lists/top500/2022/11/highs/
統計情報の全体は、General Trendsで把握できます。
1位が中国で162システム、2位がアメリカの127システム、3位がドイツの34システム、4位が日本の31システムです。中国は、Top500にランキングされるスパコンの数が多いということことがわかります。以上はスパコンの”数”のランキングです。
次にどれだけの計算資源があるかを見てみましょう。
General Trendsの表のRmaxのところをみるか、以下のList Statisicsのページで、CategoryのところでCountries/Regionsを選択してSubmitをクリックして表示されるContries Perfomace Shareの円グラフをみてください。
https://www.top500.org/statistics/list/
これをみるとアメリカが43.6%で1位、日本が12.8%で2位、中国が10.6%で3位ということになります。
System shareとPerfomrace share、どちらを重視すべきかというと、ここには多くの議論があるとは思いますが私は、System shareだと思っています。なぜならその方がスパコンが裾野を広げて普及しているということを意味するかです。
日本のRmax値は、624PFlopsのうち、富岳が442PFlopsと3分の2以上を占めていて富岳一極集中であることがわかります。
また、同じページのHighlights from the Listでは、
NVIDIAのVoltaが84システム、Ampereが64システムあります。また、AMDのRadeon Instinctが9システムランクインしておりRmax値1.5エクサFlopsと計算資源として大きいことわかります。
CPUでみるとシステムシェアではインテルは、およそ7割を占めています。AMDは2割を占めています。パフォーマンスシェアではインテルは2割程度、AMDは5割程度を占めています。
これに対して富岳と同じA64FXアーキテクチャのシステムを富岳を含めて4システムで大きく差をつけられています。
注目のコメント
どうしても上位ランキングに目が行きます。ただ、下記の詳細な統計情報をみると、もっと巨視観をもって科学技術政策を議論したほうがよいのではと思ってしまいます。
HIGHLIGHTS - NOVEMBER 2022
https://www.top500.org/lists/top500/2022/11/highs/>毎秒110京2千兆回の計算が可能
日本語で書かれるとあまりピンと来ませんがコンピュータの計算方式として浮動小数点演算という方式があり、スーパーコンピュータの性能はPFLOPS(ペタ・フロップス) という単位で現されています。
現在1位のフロンティアは1102.00PFLOPS、2位の富岳は442.01PFLOPSとなり約2.5倍の処理速度となります。
蛇足ですが私が普段仕事で使用しているノートPC(Intel Core i5 10210U) は115.2GFLOPSなので1000万倍くらいの処理速度ですね。すごい!