[10日 ロイター] - 米紙ウォールストリート・ジャーナルは10日、米アマゾン・ドット・コムが、音声アシスタント機能「アレクサ」を擁するデバイス部門を含む不採算事業部門を見直していると報じた。コスト削減が目的という。

報道によると、アマゾンは数カ月に及ぶ見直しを経て、複数の不採算部門の従業員に対し他部署への異動を検討するよう指示した。また、特定のチームからより収益性の高い分野への配置転換を進め、ロボットや小売りなどの分野でチームを閉鎖している。

同社株は約12%高で取引を終えた。

WSJによると、アマゾンはアレクサ事業を入念に精査し、新機能の追加に重点をおくべきか検討している。機能追加には一段の投資が必要になるが、多くの顧客は幾つかの機能しか使用していないという。

WSJが資料を基に報じたところによると、アレクサを扱う部門は年間50億ドル以上の営業赤字を計上している。

アマゾンの広報担当者、ブラッド・グラッサー氏は「現在のマクロ環境を考慮し、コストを最適化する機会を検討している」と述べた。

また、アレクサは引き続き重要な事業・投資分野であり、その将来について同社は楽観的だとした。

アマゾンは先週、「異例のマクロ経済環境」に対応するため、コーポレート社員の採用を凍結すると発表した。

グローバルデータのアナリストは「アマゾンはもはや、実験をしたり、リターンを生まないあまりに多くの事業を進める余裕はない」と述べた。