2022/10/13

【独白】メンタルの病気を体験した僕が、気づいたこと

NewsPicks編集部
メンタルの不調を経験した人は、以前とは「変わってしまった」自分にショックを受け、戸惑う経験があると思います。
『中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史』(文藝春秋、2011年)で注目を集め、「気鋭の歴史学者」と呼ばれた與那覇潤さんも、メンタルの病気と向き合うことになった一人です。
大学の准教授として教鞭を執る傍ら、若手の論客として活躍していた與那覇さんですが、2015年に双極性障害の治療のため入院を余儀なくされます。その後に大学も退職しました。
一時期は、本を読むことすらできなくなってしまったという與那覇さんは、そこから病気をどのようにして受け入れ、回復へと向かっていったのか。NewsPicks編集部の取材に語りました。
INDEX
  • 「うつ状態」という診断の罠
  • 意欲ではなく「能力」の病気
  • 「こんな人生もありだよね」
  • 時間の流れがゆっくりになること
  • 能力の尺度はひとつじゃない
  • ブレストできない若者たち
  • 「多様性」という名の同調圧力
  • 「違うけど尊重する」

「うつ状態」という診断の罠

明らかに自分のメンタルが「おかしい」と感じるようになったのは、2013年の途中からでした。