日中、首脳会談途絶え3年 29日、国交正常化50年
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国交正常化から今日で満50年。 たとえ含むところはあろうとも、日中両国の首脳間では、互いに腹を探り合い、他国、特に米国の動向を睨みながら、メッセージの交換と今後に向けた何らかの動きが見られるだろう。
だが 中国に親しみを感じないという人が 79%に、現在の両国関係が良好ではないと見る人が 85.2%にも達した今の我が国世論を考慮すれば、日中の今後に明るい展望を見出し難いのも、また事実だ。 他方、日中関係の発展は両国やアジア太平洋地域にとって重要と答えた人も 78.7%を占めており、数値からは何とも矛盾した国民心情が見てとれる。
(上記の数値は、今年1月に内閣府が実施した世論調査による)
私としては、広範な国民の理解に支えられた真の意味での日中関係の進展は、中国共産党の一党独裁が続く限り、まず実現不可能と考えている。 まして国家主席の習 近平率いる現体制下では言わずもがなであり、そんな現状でいくら「日中友好」を唱えたところで、空々しさを感じざるを得ないのが、大多数の日本国民のホンネだろう。
1. 国際社会の公益、いや 全人類の健康と生命よりも、自国の体制とそれに付随した既得権益の方を優先し、その結果国内で発生した呼吸器系ウイルスを全世界にばら撒いたこと。
2. 返還後50年は保証するとした香港の自由を、その国際公約を反故にして力づくで踏みにじったこと。
3. 飽くなき野心を隠さず、アジア太平洋、更にインド洋で数々の揉め事を引き起こし、徒らに緊張を高めていること。
4: そして 金とモノ、科学技術力さえあれば何でも自国の思うがままになる、宇宙にまでもその影響力を広げられると考え、傲慢不遜に振る舞い続けること。
以上の 4点に対し、恥いる姿勢など微塵も見せず、ただひたすら「中国夢」の実現に向けて突っ走る。 こんな異形の大国とは 所詮まともには付き合えない、と考えるのは、むしろ自然な感情の表れであり、そんな中で迎えた日中国交正常化50周年など、いったいどれだけの人が心からの祝意を抱くというのだろうか!
注目のコメント
2012年の国交正常化40年は米ボストンで迎えました。当時、尖閣諸島をめぐる所謂「国有化事件」で日中関係は大いに荒れ、中国各地で大規模な反日デモが勃発した光景を太平洋の向こう側から眺めていました。
あれから10年が経ち、2022年もロシア・ウクライナ戦争や台湾問題などで国際情勢は大荒れであり、これらの情勢・問題へのスタンスやアプローチの違いが浮き彫りとなり、引き金となり、日中関係は不安定化しています。今年に入ってこれまで、日中関係は改善したか悪化したかと言われれば後者でしょう。
政府間、国民レベルの相互信頼も、改善ではなく悪化しています。遅かれ早かれコロナ禍が過ぎ去り、日中間の「正常な往来」が再開した時、日中関係はどこへ向かうか。無期延期となっている習近平国家主席の訪日はどうなるのか。
まずは、11月にインドネシアで予定されているG20首脳会議で、岸田総理には習主席と向き合っていただきたいと思います。私が特に注視しているのは、2008年5月、胡錦涛前国家主席による日本への公式訪問を通じて、日中間で合意に至った東シナ海におけるガス油田の共同開発です。中国側が消極的で、14年間も実質棚上げされたままです。こういう実質的な協力を推進するために、正常化50年という儀式を有効活用する、そのための外交努力をすることが求められるのでしょう。
政府だけでなく、私たち民間人を含め、国民国家としての矜持と行動力が求められる局面だと思います。近年、日本のメディアから読んだ安倍首相(当時)の話としては「中国は日本の仮想敵国」という報道は印象的でした。
岸田政権になると、中国について語る時には、かならず、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)を強調して中国と対抗する敵愾心をあらわにしています。
敵国、FOIP以外に、日本の対中政策は何かありますか。
対抗以外にちょっとだけでも対話を求めてはだめでしょうか。