日中、首脳会談途絶え3年 29日、国交正常化50年
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2012年の国交正常化40年は米ボストンで迎えました。当時、尖閣諸島をめぐる所謂「国有化事件」で日中関係は大いに荒れ、中国各地で大規模な反日デモが勃発した光景を太平洋の向こう側から眺めていました。
あれから10年が経ち、2022年もロシア・ウクライナ戦争や台湾問題などで国際情勢は大荒れであり、これらの情勢・問題へのスタンスやアプローチの違いが浮き彫りとなり、引き金となり、日中関係は不安定化しています。今年に入ってこれまで、日中関係は改善したか悪化したかと言われれば後者でしょう。
政府間、国民レベルの相互信頼も、改善ではなく悪化しています。遅かれ早かれコロナ禍が過ぎ去り、日中間の「正常な往来」が再開した時、日中関係はどこへ向かうか。無期延期となっている習近平国家主席の訪日はどうなるのか。
まずは、11月にインドネシアで予定されているG20首脳会議で、岸田総理には習主席と向き合っていただきたいと思います。私が特に注視しているのは、2008年5月、胡錦涛前国家主席による日本への公式訪問を通じて、日中間で合意に至った東シナ海におけるガス油田の共同開発です。中国側が消極的で、14年間も実質棚上げされたままです。こういう実質的な協力を推進するために、正常化50年という儀式を有効活用する、そのための外交努力をすることが求められるのでしょう。
政府だけでなく、私たち民間人を含め、国民国家としての矜持と行動力が求められる局面だと思います。近年、日本のメディアから読んだ安倍首相(当時)の話としては「中国は日本の仮想敵国」という報道は印象的でした。
岸田政権になると、中国について語る時には、かならず、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)を強調して中国と対抗する敵愾心をあらわにしています。
敵国、FOIP以外に、日本の対中政策は何かありますか。
対抗以外にちょっとだけでも対話を求めてはだめでしょうか。