2022/9/29

【衝撃】アカデミアで横行する大量雇い止めとやりがい搾取

NewsPicks 記者
日本の数千人の研究者が職を失うかもしれない──。
今年7月、2大科学誌のネイチャーとサイエンスが、今日本で沸き起こっている研究者の雇い止め問題を取り上げた。
ネイチャーは、実際にインタビューしたある研究者の言葉を引用し、“I feel disposable(使い捨てにされた気分だ)”と見出しをつけた。
これらの記事は、5月に文部科学省などが明らかにしたデータに端を発したものだ。日本の研究者がさらされている雇用環境の悪化が、世界からも注視されていることを浮き彫りにした。
文科省などの調査によると、2023年3月末までに任期が終了し、雇い止めされる可能性がある有期雇用(非正規雇用)の研究者や教員は、国立大学などでは3099人、国立研究開発法人では1390人で、計約4500人に上るという。
雇い止め問題の舞台の一つとなっているのが、日本を代表する総合研究所、理化学研究所(以下、理研)だ。
政府がぶち上げた10兆円ファンド計画の陰で、日本のアカデミアに何が起きているのか。
雇い止めの対象となった理研の研究者や専門家へのインタビューから、プロジェクトの代表を務めるような実績ある研究者たちが、「一律に」職場を追われようとしている実態が明らかになってきた。
INDEX
  • 「大量リストラ」なぜ?
  • チームのメンバーもろとも
  • 継続中のプロジェクトどうなる?
  • 研究ロスジェネ世代
  • 海外への流出
  • 時間がかかる基礎研究
  • 若者は日本のアカデミアをどう見るか