政治はブランディングに影響を与える 米若者世代に顕著な傾向
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ネスレにおいては、長い歴史の中で、ブランド戦略に政治色を入れることはタブー視されてきた。
昨今、企業のパーパス(存在意義)が明文化され、社員やステイクホルダーや顧客と共有されるようになった現在、そのパーパスに沿った形で政治的信条をブランド戦略に活かすのはむしろ必要になってきたと考えるべき。ロシアのウクライナ侵攻による食糧価格の高騰を、「世界の人々の健康で幸せな生活に貢献する」というパーパスに沿えば、ウクライナ支援は必然的なブランド・マーケティング戦略になりうる。ある商品を購入する際、いくつかの選択肢がある場合は、それ自体が社会貢献に繋がる方を選ぶ傾向にあるのではないかと、私自身も感じます。
企業が掲げる確固たる信念を事業を通じて誠実に体現し続ける、ということを前提に、若年層消費者は自分らしく等身大に、社会的な目的を持って生活をする意識が高まっている気がします。宗教がそうであるように、政治信条による結びつきも同様に強く、経済行為においても大きな影響を及ぼし得ることは今さらいわずもがなでしょう。
SDGsのような左寄りな主張は見栄えもよく株主にも理解されやすく耳触りがよいため、左寄りを掲げる企業が多いのは事実。
他方、企業が保守的な主張をすると批判を受けやすいため、そのような勇気のある企業は少なく、それだけに逆にそのような企業と共感する顧客の結びつきは非常に強固となります。マーケティング的には一定の顧客を失う以上に非情に強いブランドロイヤルティを持つ顧客を得るメリットが大きいと考えられます。右寄りな主張は左寄り以上に大きな差別化になりうるでしょう。
こうして囲い込まれた顧客はいわば "同志" であり、価格が高かろうが、納期が遅かろうが、不便だろうが消費行動に影響がありません。
政治信条というくくりでターゲットを絞ることは、多くの企業ができることではありませんが、ある意味ファンマーケティングといえるかもしれません。