2022/9/25

【トップ直撃】世界で「一番働きやすい職場」を作る秘訣

NewsPicks NY支局長
今、「理想の職場」といえば、どういう会社を思い浮かべるだろうか。
コロナを経て、リモート勤務が当然になった時代に、社員が求める職場像は明らかに多様化している。そんなハイブリッドな時代に、「働きやすい」の代名詞ともされる企業がある。
それが、米HubSpotだ。
HubSpotといえば、2006年創業のSaaS企業の雄で、スタートアップ向けのCRM(顧客管理システム)を武器に、コロナを経た今年も世界で年率40%以上の成長を続ける超優良スタートアップだ。
そのHubSpotは、Glassdoor社(リクルート傘下の米社)の「働きやすい職場ランキング」で2020年に1位、2021年は4位、2022年は2位とトップ周辺につけ、さらには「親にとって働きやすい職場」「女性にとって最も働きやすい職場」でもランクインする。
変わりゆく時代に求められる職場とは一体、何なのか。
世界中でその強力な「企業カルチャー」が常に参考にされているHubSpotで、CPO(Chief People Officer)を務めるケーティ・パーク氏にNewsPicksが直撃した。
INDEX
  • ①企業が見落とす「カルチャー」の核心
  • ②耳当たりの良いカルチャーの「罠」
  • ③「つながり」を作る秘訣とは
  • ④「話す」だけでは意味がない
  • ⑤「辞める人」さえも歓迎する
  • ⑥「声が大きな人」が勝ってはいけない

①企業が見落とす「カルチャー」の核心

──まず、CPOという肩書きについてお伺いできますか。他の企業ではなかなか見られないタイトルです。
私の仕事は、採用、トレーニングと開発、オンボーディング、コア人事、報酬、福利厚生、そして企業カルチャーの全てを監督することです。
従来の「人事」とかぶる領域もたくさんありますが、実は、そうではありません。
例えば、ソフトウエア企業には、市場に提供する製品を管理するプロダクト・マネージャーと呼ばれる人がいますね。その点でいうと、私は「人」に関するすべてを管轄するプロダクト・マネージャーということになります。
これは、採用候補者がHubSpotについて初めて耳にしたときの設計から始まります。