[ロンドン 13日 ロイター] - バーゼル銀行監督委員会は、銀行が保有する暗号資産(仮想通貨)向けの資本要件に関する「頑健な」ルールを年内に取りまとめる見通しとなった。同委員会の上位機関、中央銀行総裁・銀行監督当局長官グループ(GHOS)が13日明らかにした。

GHOSは声明で「暗号資産に関してメンバーは、銀行のエクスポージャーに対して頑健かつ賢明な規制の枠組みを設計する重要性に改めて言及しており、これが責任ある技術革新を促進しつつ、金融の安定性を保つことになる」と指摘。その上で、バーゼル委員会にこの規制枠組みを年末ごろに完成させる作業を委ねたと述べた。

またGHOSは、新銀行資本規制「バーゼルIII」の最終部分を可及的速やかに、かつ全面的に実行するよう加盟各国に「全会一致で」促した。こうした方針を打ち出した理由について、多くの国・地域でインフレが再燃し、マクロ経済見通し悪化や金融環境の引き締まりと相まって、金融システムに脆弱性が蓄積されている可能性を挙げた。

GHOSによると、加盟国の3分の2以上は2024年までにバーゼルIIIを全面的に実行する予定。欧州連合(EU)と英国は25年初めまでの実行を目指すと表明している。