2022/9/11

イヌはなぜ人の「最良の友」になったのか

NewsPicks 記者
イヌは人が家畜化した動物の中で最も古い歴史をもち、5万年〜1万5000年前には人とともに暮らし始めたとされています。
人はイヌとの長きにわたる共生の中で、狩猟や牧羊など、より生活に適したイヌを選んで育ててきました。繰り返された選抜と育種により、現在までに生み出された犬種の数は800種とも言われています。
人の指示に上手に従い、コミュニケーションをとることができるのは多くのイヌに共通する優れた能力です。
現代では警察犬や盲導犬、介助犬として活躍するだけでなく、使役の関係を超えた家族として、人間社会で受け入れられています。
イヌはなぜ人と「最良の友」になることができたのでしょうか。
イヌと人との関係性を巡る先駆的な研究で知られる麻布大学(相模原市)のチームが今年6月、手がかりの一つとなる論文を英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表しました。
責任著者の永澤美保・麻布大学准教授が、これまで国内外で行われてきたエポックメイキングな研究をひも解きながら解説します。
INDEX
  • きっかけはストレスの緩和?
  • 愛情ホルモンの絶妙なバランス
  • コミュ力の謎
  • カギを握る遺伝子変異
  • イヌを知ることは人を知ること