コロワイド、シダックスに給食買収提案 オイシックスTOBに対抗
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注目のコメント
なかなかの面白いケースというか、泥仕合が起きていますね。
まとめると、
・2019年にユニゾンは計65億円でシダックスを支援
・その際、ユニゾンは創業家(志太家)と、ユニゾン保有株式の売却先を創業家が指定できる権利を合意
・オイシックス及びコロワイド等はフード事業売却の交渉が始まる。
・創業家がオイシックスと勝手に握る。
・ユニゾンと合意できないままオイシックスはディスカウントTOB開始
・シダックス取締役会はTOB反対表明(創業家・ユニゾンは利害関係者なので決議に参加せず)
・子会社社長陣はオイシックスに賛同表明
・コロワイド参戦 ← イマココ
コーポレートガバナンスに関係するいい勉強材料になりそうですね。
1.会社はだれのものか?≒売却先の選定に当たって何を重視するべきか? (創業家、ユニゾン、オイシックス、少数株主、従業員がバラバラの利害関係)
2.取締役会がきちんと機能できるのか?
→ 今回は利害関係者を除く3名が反対意見を表明したので、なかなか立派だと思う。
3.譲渡価格は適正なものなのか?
→ 価格算定のアドバイザーも算定評価書もなく、100憶ならいいっしょ的な値付け(=15%ディスカウント)
4.プロセスは適切であるのか?
→ 創業家が(会社の意思決定を通さず)オイシックスと握っていたりとちょっと課題ありそう。
本筋ではないのですが、2022年9月5日付「オイシックス・ラ・大地株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明(反対)のお知らせ」の 「1.公開買付者の概要 (7)大株主及び持ち株比率」って間違っている気がするんだけど、これでいいのかな?
ま、いっか。新型コロナの収束と、外食の復活を睨み、食に関連するビジネル領域はしばらく騒がしくなりそうです。コロワイドは、シダックス以外にも触手を伸ばしていると言われ、水面下ではさまざまな動きがあったと仄聞していますが、オイシックスと全面対決となると、少し前の日本ではなかったような買収合戦になるでしょう。勝者が決まるのはまだ先ですが、ビジネススクールのケースになるようなディールになる可能性が高いと思い、来年度のMBA課程で用いる教材として展開に注目していきたいと思います。
給食市場は、全体で約3兆円(コロナで減った)。シダックスの売上は500億円ほど、またほかに大きいプレイヤーとしては昔上場していた日清医療食品(病院向け)が約2500億円、三井物産傘下のエームサービス約1600億円、とんかつさぼてんなども展開するグリーンハウス約1300億円。
オイシックスもコロワイドも、給食市場参入を狙っての買収。一方で市場規模とかを考えると、大手企業が買っても独禁法とかは大丈夫そうに見える。通常のレストランとオペレーションが違うので外食大手が強いわけでもない市場。色々な思惑が混じって混とんとするほど感情面は移ろいやすい。「売ってもいい、買われてもいい」と関係者が思う他の企業が、今後参入する可能性もあるのではないか。