【壮絶解説】カルト教祖が「信者」を生み出すメカニズム
コメント
注目のコメント
手口自体はありふれたものです。
デート商法は、イルカの絵や英会話の教材を売りつけるのにもよく使われるし、他の宗教団体や政治団体も使っています。10代、20代への勧誘には特に効果的です。
「ホームパーティー」や「サロン」と称して閉鎖的なサークルに誘い、そこである人物や教えのすばらしさを説くのも定番です。そういう場で、洗剤や鍋のすばらしさを説いて、購入や知人友人への転売を勧める、というのはマルチ商法の基本です。その場まで連れてくることができれば、勧誘はもう成功したようなものです。
どのビジネスでも、同業他社の間で商品や広報の差はそんなになくても、売り上げは大きく差がつくことがあるように、宗教団体の勧誘も、似たようなことをやっているところは多いですが、成功の度合いは大きな差があります。
旧統一教会の場合、20世紀に米国で発達したマーケティング手法(チャーチ・マーケティングなど)をよく学習し、日本や米国の市場に現地化して応用したことで成功しました。また、宗教団体の中では、マーケティング手法を取り入れることにおいて先駆的でした。
何よりも、高度経済成長による都市化の急進展、大学進学率の増加、冷戦と反共の政治的需要、韓国農村の嫁不足といった時代の状況が、成功を可能にしました。
マーケティング手法をよく学び、市場の需要をよく分析して、若い世代にターゲットを絞って勧誘していく、という手口は、旧統一教会よりも後発の、1990年代に勢力を伸ばした日本の新宗教団体でもやっていたことです。
反ワクチンの団体などは今もやっています。
旧統一教会がなぜあれほど政治に乗り出していったのか、は、冷戦時代の反共運動が最大の背景でしょう。
労働運動や学生運動で万人単位をいつでも動員できる左翼に比べて、保守派には実働できる手駒が少ない、というのは日米韓で共通していました。「戸締り用心火の用心」の笹川氏なども、直接動員できるのはヤクザなどで、それだと政治家には世間体が悪すぎました
保守政治家に対して、カタギで大卒の手駒を万人単位で提供すると売り込めば、費用対効果の大きいうま味が得られる、という状況がありました。
冷戦の終焉で、このうま味は縮小しましたが、特に米国では、今は手駒が一層必要な政治対立状況になりつつあります。1970年代に米国で統一教会の信者だった二人にインタビュー。二人とも壮絶な体験をしています。
一人(アレン・ウッドさん)は政治部門を担当し、共和党に食い入るためどのようにそのルートを開拓していったのか、どのようなことが文鮮明から語られていたのか、説明してもらいました。
非常に詳細に、現場の様子や思ったことを語ってくれました。
今はその勢いはありませんが、当時の統一教会のパワー、異常な献身度の高さを感じます。
そして二人目(スティーブン・ハッサン博士)は元信者であり、今はカルト、マインドコントロール研究の専門家として、講演や執筆をしています。
そこで明かされる、独裁者、カルトのリーダーの共通点は非常に興味深いです。ここで特に指摘されているのが、トランプと文鮮明の共通点です。
皆が、「トランプがよくあんなことが言える!」と思ったコメント一つ一つが、ハッサン博士の明かす「11の特徴」に当てはまるのです。
読者の皆さんにも、この「11の特徴」を見ていただきながらなぜ、「熱狂」が生まれるのかを理解してもらえたらと思います。勿論,カルト的なものへの警戒,対策を学ぶのは有用ですよ.
でも,自分はどうしても「カルト宗教」が「今」の問題だとは思えない.
まだ創価学会も旧統一協会も存在はしますが,大分社会に対する牙は丸くなったと感じています.
カルト新宗教の全盛期って,やっぱ20-30年前で,それ以降は大分力は削がれている.その後何が有ったか...って,NewsPicksでも特集した「キリスト教福音派」だと思いますトランプ氏を語るには,そちらの方が適切だったかと.要は,古くから続く宗教の,既に存在していた宗派の過激化,カルト化の文脈.
それがテロリズムだったり,ポピュリズムと手を結んだのが,カルト新宗教の後の時代,つまり現在だと思います.幸い,日本ではそのムーブメントの実例,実害は少ないですけど,世界ではそうですよね.
なんか,みんなが「問題だ」って言えば,それが「問題化」するってのは,あまりにバカバカしいです.テレビ・メディアと別の事を言うからこそ,ネット・メディアには別の価値があると思うのですが.
〈追記〉あと,社会は犯罪者(殺人者)に成功体験を与えないように慎重にならなければならない.
今回の犯罪者が願った,「旧統一教会を問題化して欲しい」という願い,物凄く成功してしまっています.
コレは本当に良くない.