韓国発デジタル漫画「ウェブトゥーン」が世界的成功、日本に欠けている視点とは
コメント
注目のコメント
Webtoonへの原作供給を担う立場からコメントします。
まず、こういった日本国内向けのWebtoon記事のほとんどがかなり間違った認識で書かれています。
この記事でもWebtoonがスタジオによるチーム制作が主となっているように書かれていますが、韓国ではほとんどの作品が個人が一人で描いた作品であり、モノクロの物も多々あります。
Webtoonに対しての見解は僕らのような最前線でやっている人間でも違ってるほど複雑な市場環境になっていますが、日本での見られ方は些か誇張されすぎていて、投資熱が加熱しすぎている印象です。
ここ一年で、コンテンツをやったことがないような企業がお金を出してスタジオを作るなどが頻発し、すでに70を超えるスタジオが生まれていますが、そのほとんどに編集者もいなければクリエイターもろくに集められていないような現状です。
ほとんどのスタジオの狙いとして、漫画やアニメなどの市場は国内だけでもかなり大きく、さらに世界を狙うことができる魅力的なビジネスなわけですが、国内の出版業界の既得権益に入っていくことは難しい。そこで新たに出てきたWebtoonであれば新規参入でも勝てる!と見込んで入っているわけですが、正直どこも甘いです。
ずでに韓国ではWebtoonの課題として、IPとしての価値が低いという問題も生まれていて、すでに若干の頭打ち感が出てきています。ピッコマの来年上場するという話もそういった要素があってのことです。
この過熱しすぎた市場で、変な先入観で参入するのは甘いですよ。韓国のウェブトゥーンがNetflixなどグローバル動画配信サービスで色々ドラマ化される大きな理由は、すでに原作として人気を集めているからです。裏を返せば、すでに結果を出したもの以外はチャンスがほとんどないことになります。ウェブトゥーンで人気がそれほど集まらなくても映像化された時に大きな反響を呼ぶものも色々あると思いますが、原石の発掘にはますます興味が薄まっている気がします。